またギリギリやー。水道民営化について反緊縮の立場からパブコメしましたー。
今日8月20日が締め切りの、国(厚生労働省)がやっているパブリックコメント募集
「「水道施設運営権の設定に係る許可に関するガイドライン(案)」に関する御意見の募集について」
に意見を送りつけました。
【国のパブコメやり方】
①以下の国(厚生労働省)のパブコメ募集ページにアクセス
【8月28日 9:30-17:30 専用URL】
https://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495190181&Mode=0
【旧(8月20日締め切り済みのURL)】
https://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495190136&Mode=0
②「意見提出フォームへ」ボタンをクリック
③住所とかは全て任意(ラクですね)、意見記入して「確認画面へ進む」ボタンをクリック。ロボットと区別するための画像認証をして、「提出」ボタンクリックして終り。
意見をペーストするだけだったら3分ですね。8月20日の23時59分まで提出できるはず。
先日も、大阪府(と大阪市)がやっていた、カジノ依存型リゾート(IR)へのパブコメにも意見を送ったのですが。
カジノも水道もどっちもなんですけど、今回の水道民営化は特に、
てゆーかよぉ~!(=o=#)
と言いたくて、たまりませんね。
今回のパブコメは、水道民営化のための法改正はすでにされちゃってて、その法のもとで、民営化の許可を国が与えるという許可の審査手続きに対して、
「許可審査のガイドラインを作りました、ご意見あります?」的なものです。
「・・・てゆーか、民営化すな!」って言いたいんですけど、そしたら、
「いえ、本件は、あくまで行政手続きとしての適性性についてお伺いしております」って、ムカつく感じで言われるやつです。笑
まあガマンしてパブコメ送るとして、
このパブコメの対象となっている「水道民営化ガイドライン」、中身ないなあ・・・
私が大阪府庁で別分野ではあれ似たような審査手続きをしていた経験や、衛生研究所の民営化を止めようとしてた市民活動の経験からすると、このガイドラインは「ゆるい」紙、これだけで実効性を持たすことはできないものでしかありません。
あまり細かく一問一答で「どう実効性がないか」言うのも嫌になるくらいです・・・
せめて例をあげると、以下のように、
ガイドラインの審査基準がはじまるP.7のしょっぱなから(赤字は大石記入)、
「(1) 水道事業者等(役所)が自ら実施する必要がある業務を水道施設運営権者(民間業者)の業務に含めていないこと。」
って、当たり前やろ。
そんなもん「含めて」たら違法やないか。「違法はダメです」なんて審査基準、意味ないやろ。
というところです。
イヤになる・・・
でも、世の中には素晴らしい方々がおられまして、
「水道民営化」の実情にくわしいNPO法人「AMネット」(エー・エム・ネット)のブログでは、具体的な実効性がない点や矛盾点を、ていねいに解説されています。
http://am-net.seesaa.net/article/468665935.html?1565260815
本当にそうだなーと思います。
民営化にはリスクがいっぱいです。
ぜひご参考にされて、共感できる部分などパブコメに活用してください。
私も以下、パブコメ意見(提出したのは【パブコメ意見】とした青字部分)を考えましたので、ご参考にしてください!
めげずに出そう、パブリックコメント。
そもそも「水道の民営化」について言いたいこと
ようし、私は、こんなパブコメにだって、空気を読まずに、水道の民営化についてそもそも言いたいことを書くことにしよう。
今回、国が法改正までして、水道の民営化をやりやすくする法案をとおして、それにむけた手続きをしている。
それっていうのは、
大阪市だけが水道という公的なインフラを私企業に売り渡そうとしているのではなくて、大きな、国単位で進行していること。
そしてその最先頭として大阪市が民営化に突っ走っていること。
こうして、この国がどんな方向に向かっているのかを、大阪市のやり方を通じて、みなさんに知ってもらわねばと思います。
大阪市がやろうとしている「民営化」の何が悪いのか
大阪市がやろうとしている「民営化」という手法は、
「公的部門に民間企業を入れ、①採算事業をやらせて、②その利益部分の一部で、③不採算事業をまかなおう」という戦略に基づいています。
カジノ開発も同じことで、公金投入で民間参入を呼び、ワンツースリー(①②③)という流れです。
一見すると、まともなようにも見えます。
「不採算事業もちゃんとやる」ゆうてるやん、ってね。
でも、私はこの「民営化」を次の3つの理由で否定します。(そのあと③のなかで対案を記します。)
①採算事業をやらせる発想が、地元の景気に悪循環(&腐敗をうむ)
「採算事業」とする仕組みは、こうです。
”私企業への一括発注”により、
”事業の透明性確保や中小企業振興にかけていたコストをやめる”(コストカット)
”地域の需要に代わり、地域外とくにアジアの旺盛な需要を取り込む”(収益アップ)
というもの。
収益アップは、
水道でいうと、他地域やアジアでのビジネス展開、
カジノ(IR)でいうとアジア等から富裕層の観光客を呼び込む、としています。
【参考】
大阪市水道事業民営化基本方針等 https://www.city.osaka.lg.jp/shiseikaikakushitsu/page/0000224849.html
大阪IR基本構想案 http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/35850/00000000/2-1.pdf
これは、事業をつうじて地元の住民や事業者のふところを温める(≒所得向上)発想はなく、むしろそれを悪循環に陥らせる仕組みです。
実際に、
今、大阪市水道局は、年間100億円超の水道管の更新工事を民間企業に入札で発注しており、
発注件数は100件超におよびます。
入札は、大阪市の中小企業振興条例に基づいておこない、その発注額・件数の95%以上が大阪市内中小企業に回っています。
つまり今は、大阪市が発注した100億円超のほとんどは地元の企業の収入になって還元されている。
【参考】
入札結果の情報は、大阪市の電子調達システムから抽出 https://www.keiyaku.city.osaka.lg.jp/
ところが、大阪市は、
その入札にかかるコストを削減したい、細切れ発注をやめたらコストカットになる
といって、発注や設計等を一括で私企業にやらせるとしています。
その際、「中小企業振興」は、その私企業に努力義務を課してなんとかなる、などと言っています。
【参考】
大阪市水道経営戦略(2018‐2027)https://www.city.osaka.lg.jp/suido/page/0000431640.html
その部分が↓これ↓(黄色のマーカーは大石が引いた。以下同じ。)
はー?
なんとかなるわけないだろが!
ていうか、細切れ発注をやめたい時点で、中小企業振興やめる意図でしかないやん。
中小企業振興がコストだったという表明ですよね。
公務員用語なのですが、
「努力義務」は、そもそも「任意」の、違反は課せられない、やってもやらなくてもいい理念的なルールのこと。
「留意すべき」ってのも、「やらんでええよ」のニュアンスばりばり。笑
「要請」も、役所が実りはないけど「一応要請してます」と言いたいときに使う手法ですね。
全部、ダマしワードですから・・・ひどいもんだ。
そもそも「効率よく発注」することを目的とした民営化なのですから、スケールメリットのために大企業に継続的に発注していくことでコストカットができるのです。
そうすると、これまで受注していた地元中小企業は、あぶれるか、または下請け、孫請けとなって労働者への分配率はもっと下がるでしょう。
そうすると労働者の所得が下がって、ますます、地域の需要は下がるでしょう。
そうすると、ますます「地域の需要には期待できないから、アジアへー!」ってなるでしょう。
なんのクソゲーや!いいかげんにしろ!それでも役所か。
そしてもう一つの問題は、透明性をなくすことによる腐敗です。
今まで役所が入札をして、発注額、仕様などが誰でもわかり、透明性を確保しているものを、それをコストだとカットしたら、
どうなりますか?腐敗するに決まってるやん。私でもしますわ。笑
それがアカンから、松井市長も、「究極の情報公開」言うてたんとちがいますのん?
透明性の確保をコスト扱いしてしまっている時点で、役所として終わってます。
不透明・腐敗の兆候は、すでに、「アドバイザリー業務」にあらわれていると思います。
すでに水道でもカジノ(IR)でも、一括発注のための「アドバイザリー業務委託」というのが数千万、数億円の単位で予算化されているんですよね。
これらの委託は形ばかりの審査を経ておこなう「随意契約」です。
【参考】
大阪府 大阪IR(統合型リゾート)の事業化に関するアドバイザリー業務( 377,195,225円)←3億7千7百万円ですよ。ギョギョ!
http://www.pref.osaka.lg.jp/irs-suishin/osakair-adviser/index.html
大阪市 水道:新たな官民連携手法にかかる調査検討 (3,400万円)
https://www.city.osaka.lg.jp/shiseikaikakushitsu/page/0000460945.html#2-2
これから、地方自治体が「アドバイザリー業務」をサプライチェーン企業に随意契約で発注して、
以降、その企業のさじ加減で、関連企業や下請けがぶら下がり、これまで役所が透明に中小企業に発注していたものや、色んな公的なものが「コスト」とつぶされ、食い物になっていく。
そんな日本の未来が大阪市のやっていることを通じて見えてきます。
絶対にこのまま許していてはならないことです。
あと不思議なことが起きてて、 ↓これ↓ 大阪市水道経営戦略(2018‐2027)より引用
これ、どういう意味かというと、
今まで水道局の職員が、直営で100+680+100+138=「1018」の工数をさばいてたのが、
民営化したら、10+50+12+18=「90」の工数に減って、「浮いた」ぶん、職員105~110人が他部門に回せる、
て言ってて、それが「採算を上げる」の根拠になってるんですけど。
え?
じゃあ、その浮いた1018-90=「928」の工数は、他の労働者がやるんだよね?
なんでそれでお金が「浮く」ん?
(委託発注の手間がはぶける、ってのはそのうち15+15=「30」やから理由にならないですね。)
しかも、長年、直営で設計から管理まで出来てる熟練の人たちを他の部門に回したら理不尽なうえに、大好きな効率も落ちへん?
唯一、お金が浮くとしたら、民間先で安い賃金でこき使う、以外にないですよね?
そこの計算はどないなってるんですか?
【①に関するパブコメ意見案】
●改正水道法により民営化しようとしている自治体の1つである大阪市において、大阪市水道経営戦略(2018‐2027)の3章にて、民営化のメリットとしてあげているコストカットの結果として、入札による事業の透明性の確保がなくなり、かつ、「中小企業振興」が後退し、地元の景気に悪影響を及ぼす可能性が高い。同資料には、対策として「努力目標」「要請」などとしか書かれていないので実効性はない。
このような民営化を国として推進するのは、国民や事業者のためにならず間違いだ。
●同じく、大阪市水道経営戦略(2018‐2027)の2章2-6-3にて、民営化により作業工数を減らせるとしている試算は、結局民営化した事業者が同じことを行うのであれば、工数を減らせたことにはならないし、そこで採算が出るとしたら、よほど安使いで労働者を働かせることになり、「働き方改革」に矛盾すると思うが、国もガイドライン策定にあたり、そういった具体的な検討をしたのか。
●これらの大阪市の案に対して国としての見解を求める。
また、このようなおかしな民営化案に許可を出さないような審査基準を入れるべき。
国の許可のもとで、ブラック企業が水道事業を運営し、住民も地元企業もやせ細ってしまう危険性をどう排除するのかを明示されたい。
つづいて、先ほどお示しした大阪市がやろうとしている「民営化」の戦略、
「公的部門に民間企業を入れ、①採算事業をやらせて、②その利益部分の一部で、③不採算事業をまかなおう」の問題点その②です。
②民営化した「利益の一部」のおこぼれなど、望めない。
上の①でも言いましたが、
利益最優先の事業体を駆動力にして利益率を上げる仕組みにおいて、その事業体に利益の一部を差し出させるというのが矛盾しています。
利益が最優先の事業体が、利益を手放すはずがないでしょ。
国の方針がそうなんですけども、今、この国では、公的機関の色んな分野にサプライチェーン企業(グローバル企業)を入れて「効率的に」運営しようとしています。
これらのグローバル企業は、常にあらゆる側面から、企業の利益の抽出"しろ"を検討するからこそ、効率的なのだし、利益を上げられるのです。
したがって、「効率良く」運営する可能性はありますが、それによって得られた果実は、当然、その企業と株主の分け前。
グローバル企業にとって、その地域や住民にこだわりはない。
そんな甘いもんじゃないです。
その「効率」を良しとしての民営化なのだから、
大阪市の水道事業もそうなりますよ。カジノもそうであるように。
契約書を交わしていようが、相手はその道のプロ。企業側は大事な利益を無駄に役所に差し出さずに済むように、いくらでもごまかせる。
そんな甘いものではない。
これについてパブコメ意見は無し(①での意見と同じ)。
さて、民営化の問題点その③です。
③「不採算事業をまかなおう」という発想が間違っている。
まず、「まかなおう」なんて、そんな算段も、②の結果(=利益のおこぼれは出ない)によって失敗するんですけど。
そもそも「不採算」という発想自体を切り替える時期にきています。
水の問題に限らず、今の日本社会で、「不採算」とされているものに、どんなものがあるでしょうか。
住民に安全な水を保障すること?
妊娠した女性が産休・育休を取得すること?
保育。介護。障がい者のための費用。年金、生活保護費。
いつ起こるかわからない災害への対策費用。
障がいの有無にかかわらず、普通学級で学んだり、地域で生きられる「インクルーシブ教育」の費用。
こういった「不採算な」ものは、お荷物で、効率的な民間企業が採算を出して支えてやるもの。
そんな発想を、この国も、地方も、ひるがえって、これを読んでいる人も、してはいませんか。
でもそれは間違っている。
今の社会の不景気の原因は、経済がうまく回っていない原因は、「供給過剰」です。
そのときに、いくら「効率性」を追及しても、需要はないまま供給ばかり過剰が続いて悪循環であり、それこそ「無駄」なのです。
今必要なのは、「新たな需要を生み出す」こと、
上で書いたような、「不採算」と勝手に決めつけられ、必要なのに「節約」をされてきた分野に、
国が積極的にお金を使いはじめることが必要なのです。
この国に生きる一人ひとりが豊かに人生を生きることに、国は責任を負う。
それは長年、憲法がずっと言ってきて、まだ実現していないことなのです。
【③のパブコメ意見】
●水道法は「国及び地方公共団体は、水道が国民の日常生活に直結し、その健康を守るために欠くことのできないものであり、かつ、水が貴重な資源であることにかんがみ、水源及び水道施設並びにこれらの周辺の清潔保持並びに水の適正かつ合理的な使用に関し必要な施策を講じなければならない。」(第二条)と言っています。
これは憲法25条の生存権を具体化するもの。
安全な水の保障は、国の責任。それを自覚しているのでしょうか。
本件ガイドラインで許可を与えたのち、民営化事業が失敗したとき、国が責任を取る体制について明示してください。
●国の発想を切り替えるべきときが来ています。
水道でいうと、全国的に老朽化した水道管、耐震化がまだの水道管がたくさんあることが社会問題になっています。
これらの水道管の更新は、地方の財源だけでは限界があるとされてきました。
「不採算」だ。
これが大阪市でも水道民営化の主な理由に挙げられている。
でも、発想を変えて、地元の需要をもっと広げていく立場に、国や大阪市は立つべきだ。
大阪市内で言うと、上で書いたように、年間100億円以上の水道管の工事を、地元中小企業100社以上が受注しています。
その入札が大変だからと、「局職員のマンパワー不足による管路更新ペースの限界」というのではなく、
職員を雇えばいいのです。
さらに、今の計画でも、老朽化した全ての管路を更新できる計画にはほど遠いので、ちゃんと更新するために
もっと職員を増やし、地元企業の力も発揮させていくべきです。
じゃあ、「財源はどうするのか」。
国なら破たんすることなくお金を発行できるんじゃ、ないですか?
また、上層でばかりお金が滞っている無駄を解消するための税制(累進課税)は効果的じゃないですか?
財源はある。
国が、財源があるのに、庶民に対して「無駄に」お金を出ししぶっているだけです。
国は全国の水道に責任をもって大胆な財政出動にふみきるべきです。
その観点から、水道法の改正は、逆方向でなので、やり直し、このガイドラインも廃止するべきだと私は考えます。
以上、
同意できるかたはパブコメに活用を(コピペでも私は構いません)。
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