大石あきこのブログへご訪問くださりありがとうございます。
4/7の統一地方選が終わって、ブログでまとまった文章での発信はしていませんでした。
そのころからブログを見て応援してくれた方々には、本当にありがとうございます。
先日、Twitterで、吉村・大阪府知事のツイートに対して、以下の引用リツイートしたところ、7500を超えるかたにリツイートしていただきました。これは、「れいわ新選組」の重度障がい者のお2人が参議院議員に当選し、重度障がい者が働けるよう重度訪問介護の制度を変えようという議論に対し、維新が「国会議員特権」など的外れな批判をしたやり取りでした。
↓私のツイート↓
適当なこと言わないでください。
— 大石あきこ🌹Akiko Oishi (@oishiakiko) 2019年8月1日
大阪府で16年間働いてきた職員として、府庁は障がい者を雇用しておきながら、その人たちをいかに孤立させ追い詰めているか、追い追い、曝露していきたいと思います。 https://t.co/wHlT7MOWgA
↓吉村・大阪府知事のツイート↓
「維新は薄っぺらい」とのことですが、障害者雇用率全国No.1は大阪府です。橋下元知事が障害者雇用の全国No.1を目指すと宣言して以降、現在までずっとです。https://t.co/9E7DGU4Xlk
— 吉村洋文(大阪府知事) (@hiroyoshimura) August 1, 2019
綺麗な意見の前に、国民の重度障害者の為の制度を。公平なルールをお願いします。 https://t.co/iqTYcuJAmw
いやいや、吉村さん。超・薄っぺらくて、ぺらっぺらだよ!
大阪府庁で障がい者雇用「NO.1」だとか、そんな表面的な数字をアピールして「十分やってます!」ってふんぞり返っているから、今回のような「障がい者の権利を広げよう」という世論が活性化したときに、すかさずネガティブなことを言いまくっちゃうんだよ。
今起きている問題の本質は、障がい者のかたの多くが追い詰められてしまっているという状況をまず認めることだし、その根本には、政治の責任があって、それを認めて、この機に社会を変えよう。という話じゃないですか。
それを表面的な数字だけアピって何やってんですか。
現場では維新があおりまくった労働者同士の競争(「生産性」主義)の結果として、障がい者も、いろんな人も、追い詰められ生きづらくなっちゃってる、それが問題なんです。
私は、これまで大阪府庁のなかで、障がいのある職員がいろんな形でひどい状況にあることを見てきましたし、状況を変えるために一緒に私なりに行動してきました。それで、私は、障がい者の人が具体的に、どういうひどい目に遭っているのかも、お話したいけど、でも何より、障がい者が置かれている「孤立」「生きづらさ」は、同じ構図で、みんなが多かれ少なかれ苦しんでいることでもあって。
それは、私自身も苦しんできた「生きづらさ」でもあります。
だから、その構図全体を伝える必要があると思います。
なので、これからシリーズで、「大阪府庁で孤立され追い詰められる」とは、どういうものかをブログ記事にします。
今回は、まずはじめに、育児中の女性職員として私自身が府庁で苦しんだことを書きます。
そして、同じような構図で、障がいのある職員や、様々な職員が苦しんでいること、ときに、徒党を組んで反撃していることをシリーズで明らかにしたいと思います。それが、「障がい者を孤立させない」社会につながっていけばいいなと願って。
出来事2014「子どもが熱を出したら」発言を理由に低評価は許せないので闘った
「ちょっと前」だと思っていても余裕で5年とか経っている42歳の今日このごろ・・・
みなさんは、2013年の冬ごろから、大気汚染物質「PM2.5」(ぴー・えむ・に・てん・ご)が大注目されたこと、覚えていますか?
私はそのときちょうど、大阪府庁で、PM2.5の濃度を監視するシステムの運営を担当していました。
(例えば、この↓ホームページを作ったり、各地の監視局の通信を確保したり、トラブル対応したり。http://taiki.kankyo.pref.osaka.jp/taikikanshi/ )
環境監視グループという部署です。
私が配属したその年度に、たまたま、PM2.5が大注目されることになって、異例にどんどん新しい監視地点の予算はつけられ、問い合わせや取材も多く、プレスリリース(記者発表)も緊急に用意することが多かったので、グループ員一同、私も、仕事に追われていました。
仕事の内容的には、相当、楽しいものでした。
でも子どもは3歳で、保育園に迎えに行くために残業できない事情に加え、毎月のように風邪を引くので、「子どもを看るのか」「緊急の仕事をやるのか」のどちらかを迫られる状況に何度もなりました。
それから、多忙な職場で、よく起きることって、ありますよね。
1つには、人を「使える」「使えない」で判断して、いったん「使える」側になったらむちゃくちゃ酷使され、「もう無理」って言ったら「使えない」側に入れられてしまうこと。
私の部署もそうで、悪気はないんだろうけどデリカシーのないグループ長(Aさんと呼ぶ)(50代男性)のもとで、その空気をひしひし感じました。
仕事自体は、やりがいがあるし、同僚に信頼されることは「働く喜び」です。「使えない」側に入れられたらそれを失ってしまう。それで、私もこのまま無理してがんばろうとしたんだと、振り返ると思います。
加えて、多忙な職場では、「あの人は仕事をやっていない」だとか不満が起きがちじゃないですか?
そして、同僚がしんどくなってないか、来てくださってるアルバイトの方が辛くなってないか、といった目を配れる人ってそう多くなくて、多忙化すると余計に放置プレイが起きますよね。
私はそういったことに目を配りたいほうだったので、それも1つ1つ、自分の容量を超えて重みになっていました。
そうこうするうち、いくらやっても仕事は終わらない、システムトラブルは24時間起きる、つまらない本末転倒な書類(チャレンジシートだの、四半期レポートだの、コンプライアンスチェックだの)もどんどん増えていく役所のなかで、自分の脳内で処理しきれない負担で、精神的に追い詰められていきました。
そんなまま1月末に突入。1月末前後というと、日本で最も寒い季節で、インフルエンザの感染ピークの時期。
保育園の子どもたちは、大人とちがって、超接近戦で遊ぶので、予防しようもありません。
子がインフルエンザにかかったら5日は出勤できません。
したがって、そうなっても何とか回るように考えて、仕事をマニュアル化したり共有したり、その時期は極力コンパクトにするなどしながら、進めなければいけない。
これは全国の共働き世帯(主には母親側でしょうね)がやっていることだと思います。
でもそういう状況じゃない上司は、1月末にバンバン重要なものを入れる。いいけど、じゃあ、リスク対策に人を増やせよ。
なんて意見を言うヒマも権利もない。
追い詰められた私は、2013年の2月に、「明日にでも子ども(当時3歳)が熱を出したら仕事が回らなくなる。精神的に追い詰められ、風邪気味になった娘をちゃんと看れないので、昨夜から実家に避難させている。仕事をフォローしてほしい。」とグループ長AさんにSOSのメールを送りました。
急ぎでかつ高度な判断や調整の要る懸案業務をリスト化して、決死の思いで、送りました。
しかし、それへの返事も仕事のフォローもなく、その約10日後に子どもがインフルエンザになりました。
対外のある急ぎの業務があったので、家からメールで仕事を引き継がざるを得ませんでした。ぐったりしている娘の横で。
こちらからしたら、ほら言ったやろ!怒
子どもを看れなくて何かあったらどうするんだよ!!怒
だし、助けてと言ったのに無視されて、実際にこんなことになった。
すごく辛かったし、腹立たしかったです。
でもあちらは何も覚えてないでしょうね。言うても仕事は回ったやん。みたいな感じでしょう。
翌年度の2013(H25)年度も状況は変わりませんでした。なぜ変わらないか、大きな要因には、「ほかの人も忙しい」。
私だけが忙しいわけではない。
むしろ配慮されているほうなのです。育児を理由に残業しないで帰る職員として。
けっきょく、「平均的な職員(≒特に家庭の事情のない健常の男性)」がすごく忙しく仕事をさばいているので、「マシなほうだよね」「これでもかなり配慮してる」ってなるんですよね。
これこそが、「障がい者に冷たい」職場や社会の空気のベースだと私は思います。
そのバリバリ働いてる人たちにとっては、仕事が忙しくて自分に余裕がない、むしろ「足引っ張りな」育児中の社員、妊娠してる社員、持病があったり家族を介護している社員、そういう「事情のある人」を、自分が支えているし、文句も言わずに引き受けてる。
何が不満なの?自分たちが不満を言いたいよ(><)
ってきっとその人たちの心の中はストレスでいっぱいなのです。
そして、その気持ちもわかるので、「事情のある職員」の身としても、当然の権利として主張しにくいのです。
これが社会全体にまん延していませんか?
私はこの状況を変えたくて、職場でも意見をしたり、「人員を増やせ」とみんなで労働組合として動いたりしてきました。
「障がい者の方々がやりがいをもって生きられる・働ける」社会のためには、府庁でも外でも、もっとそういう動きを加速して、「事情のある人も無い人も、時間に余裕がある」「お金に余裕がある」状況にしていくことが必要だと思っています。
さてさて、話戻りますが、そんな調子で、ですね・・・。
引き続き、PM2.5、などなどをやってました。
2013年の秋ごろ、相変わらず子どもは3歳、仕事は忙しくて余裕がないまま。
今度は、グループ長(引き続きAさん)に、岡山県での出張を指示されました。
そのとき、私は「子どもが熱を出したら行けない(代替要員の確保を)」と言いました。
(実際は、発熱の以前に、保育園の送迎や、ご飯やお風呂などの確保のための家族調整がいるわけですが。)
私の場合は、発熱時に子を実家にあずけることはできました。
でも、私は「行けない」と、そう言いました。実家にあずけたりできない人もいるから。
だから「子どもが熱を出したときの対策」を当たり前に取れる職場にしたくて、そう言いました。
グループ長Aさんは、「その時はその時」としか言いませんでした。やっぱりね。
そして岡山県への宿泊出張の日はやってきて、子どもも風邪は引かず、行くことができました。
だけど、後々、グループ長Aさんは、私のその「子どもが熱を出したら行けない」発言を問題視し、「女性比率が増えるなかでそんな発言をしないほうがいい」と、人事評価欄(しかも本人には見えないとこ)に記入したのです。
ちなみに、その記入欄は、本来は非公開の欄でしたが、職場が多忙でリスク管理が甘くなっていて、たくさんの職員のそういった評価情報が漏洩してしまって、翌年度2014年度に発覚。
こんなグループ長の考えを許しては、育児中の職員が働けなくなってしまうので、労働組合にたのんで交渉の席を設けてもらいました。
そして組合では、この評価コメントは人事評価でルール違反とされる「他事考慮」(評価してはいけない事項で評価する)にあたることから、2013(H25)年度の大石の相対評価結果を撤回すること、また、再発防止対策ができるまで評価実施は中止するべきだと集会で決議し、室と交渉することになりました。
以下が私の交渉のときに用意した意見です。
「グループ長の評価コメント、『子供が熱を出したらこないかもしれませんということを言わないほうがいい』というのは、子育ての事情を言うと不利になると言っているのと同じで、他事考慮にあたる。
また、逆に、年度中、グループ長のそのような姿勢に私は何度か精神的に追い詰められ、育児と仕事の両立が困難な状況に追われた。
明日子どもが発熱したら立ちいかないということがあって申し出たが改善がなく、実際に子どもが発熱し、家からメールで引き継ぎ書を送らざるを得なかった。
その後もグループ長は、担当である私にしか確実な遂行ができない状況下で、緊急度の高い業務指示を出していた。その事実から、『その時はその時』『できないなら他の人にふる』は、具体的に考えるつもりのない発言だったと思っている。」
「最後に申し添えたいこと。年度中にPM2.5の社会的関心の高まりという大きな出来事があり、かつグループ長の強引な性格もあいまって、育児との両立が非常に厳しかった時期が何度かあり、ときに議論の途中でカッとなることもあった。
それでも私の主観ではグループ長との人間関係が悪かったわけではないし、グループ長も人間らしく率直で良い所は多く、全体として信頼関係があると思っていた。
したがって今回、期中と期末のシートにおいて、私に見えない部分で、かつコメントの全面にわたって悪く書かれていたのは正直ショックだった。信頼関係などなかったのだな、と思い知らされた。
また、グループで自分だけが苦労をしたわけでは決してなく、私がうまくいっていないことに気づいたグループ員が申し出てくれたり陰で助けてくれたりで物心とも救われたことは何度もあった。
年間に色々あったがみんなで支えあって楽しく業務ができたことに感謝している。
議論して良い業務にしていくのは生きがいを感じ、それが労働だと思っている。
私の要領が良くないほうだとしても、育児をしていたとしても、共同の仕事を楽しみ、自分に誇りを持つ権利は、私にも誰にでもあると思っている。
誰が優れて劣っているか、などが職場の関心事では全くないし、あってはならないと思う。
人事評価制度はそれに水を差すものであり、百害あって一利なしだ。
その思いで、この制度による不当な評価結果の撤回を求める。」
この、2014年当時の私の意見を、みなさんはどう思われますか?
結局、評価結果も変わらなかったけど、当時、私のこの意見を読んで、共感してくれた同僚がたくさんいたことはとてもうれしかったです。
黙ってガマンしていれば、それなりにエリートに行ける人もいるだろうけど、その人たちも含めて、「職場にはもっと大事なことがある」と思ってくれたから。
そんなふうにして、いつかみんなが、「大事なこと」を台無しにしている競争(「生産性」主義)と一緒に闘ってくれたら・・・
それが「障がい者を孤立させない、追い詰めない」社会の第一歩だと思います。
この記事に関して、仕事への認識甘い、とか、育児しながら働けるだけマシやろ、とか、きっと色んな批判はあるでしょう。それもまた1つの意見ですし、ぶっちゃけの色んな議論が起きてほしい。
そのうえで、私はそういう批判の刃を変えていかない限りは、このストレスだらけの社会、事情のある人を孤立させ追い詰めてしまう社会は変わらないと思います。
育児中の職員が追い詰められる職場、人間を勝手な「生産性」で優劣を決め、「使える」「使えない」で職員への対応を変える職場が、障がい者にも過ごしやすいはずがない。実際に辛い目に遭っている人はたくさんいる(これはまた追々書きます)。
特に、「公務員甘い」「厚遇」などといって働く人同士を分断して、非正規雇用や人員削減を激しく進めている「維新の会」は、ストレス職場や、障がい者に冷たい職場の元凶だと、私は思っています。
だからこれからも、私は闘います。
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