2025年3月13日【憲法審査会】選挙困難事態に関する立法事実について発言しました。
※赤字はブログ掲載にあたっての補足です。
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枝野会長 次に、大石あきこさん。
大石 れいわ新選組、大石あきこです。
本日の意見表明に当たり、この数年の衆議院、参議院両方の憲法審を拝見しました。また、改憲派の条文草案も拝見しました。
本日も法制局なり皆さんの御意見も聞きましたが、その結果として二つの結論を導きました。
一つは、選挙困難事態の立法事実は一切ないことです。
二つ目は、改憲派の方々の改憲草案は、内閣と衆議院の居座りを許すゾンビ改憲草案であり、現憲法の立法事実である、内閣と衆議院の居座りを許して米開戦に至ったという過去の歴史の再発防止の設計を潰す違憲提案です。
しかも、天然、無自覚ではなく、意図的に潰すという流れで、危険極まりないものです。
したがって、
この議論をしっかりと打ち切る必要があり、枝野会長には、これ以上の議題としないことを強く求めます。
もう少し詳しく説明します。
衆議院法制局の説明資料では、選挙困難事態の定義は二つから成ると。
一つには、選挙の一体性が害される広範性の要件、二つ目には、70日超の長期性の要件から成るとされています。
※衆議院法制局の説明資料とは
衆議院法制局 衆議院憲法審査会事務局 「資料2 「選挙困難事態」に関する立法事実についての議論の概要」以下掲載

その一つ目、選挙の一体性については、改憲の立法事実とは言えません。
まず、前提として、私も皆さんも衆議院議員、これは、国民に選定され、罷免される存在です。
私たちの選定と罷免は国民固有の権利であると憲法15条は言っています。任期延長はこの国民の権利を奪うものですから、そうなら、それに足る理屈が必要ですけれども、それは存在しません。
憲法学者の長谷部恭男先生も、衆議院、参議院の憲法審で、最高裁の判例を引用しつつ、そもそも選挙困難がない選挙区も含めて丸ごと延期をすることはやはり許されないとおっしゃっています。
例えば、近畿で災害が起きて、それが選挙権行使が事実上不可能であったときでも、九州エリアの方々は選挙ができるならば、日本全国で衆議院の任期延長をしましょうは許されないよということです。当たり前です。
それから、本日、法制局や公明党の方からも、選挙が、大規模災害があったときの選ばれない割合みたいなものを出されているけれども、その割合の議論はほとんど意味がないですよ。
やはりたくさんの仮定が入っていますし、そのシミュレーションには。
そして、現在の問題がある選挙制度や選挙の在り方を前提に置き続けるような、必ずその世界観が入らざるを得ないんですね。
つまりは、誘導が入りますので、それらしい誘導なので、危険なものであると言えます。
学者と政治家は覚悟が違うなどと言っている会派もありますけれども、これは覚悟の違いではなくて、受益があるかどうかの違いです。
任期延長という受益があるからこそ、衆議院議員の居座りが起きる。
それを排除する規定を現憲法は設けており、現憲法はさすがなんですね。
自民の船田幹事と維新の馬場幹事に聞きたいんですけれども、選挙の一体性、選挙という国民固有の権利を奪うほどの正当性があるというのは憲法何条に支えられるのでしょうか。
選挙困難事態の定義の二つから成る二つ目です。
70日超の長期性の要件について。
「憲法54条1項で、参議院の緊急集会が70日間しか開催できない」からという論が存在するかのように、この衆議院の憲法審で話されていますけれども、そのような主張をしているのはごくごく僅かな方々です。
日本において、衆議院の憲法審の改憲派の方々と、参議院憲法審の維新の方々と、衆議院憲法審に来られた、日本に数えるほどしかいない、安保法制の集団的自衛権が合憲と言っている大石先生だけです。
名前が同じ大石で恐縮なんですけれども、主張は逆のようでした。
憲法学者の長谷部恭男先生は、衆参の憲法審査会で、54条1項の解散から総選挙までの40日と選挙後の特別国会召集までの30日は、内閣の居座りを排除するための規定で、緊急集会の開催権限とは関係がないとおっしゃっています。そして、参院憲法審では、土井真一先生とともに、70日間限定という解釈は憲法違反の解釈ですとまでおっしゃっています。
学者だけではなく、参議院の憲法審査会では様々な議員がまともな議論をしています。つまりは、参議院緊急集会をつくったときの立法事実や経緯をちゃんと議論しているんですよ。当時の日本政府とGHQの協議の中で、天災とか災害とか予期し得ない緊急事態とか、いっぱい議論していますよ。太平洋戦争の末期には南海トラフの震災もありました。そうした議論を基につくられた54条第2項の参議院の緊急集会が、大災害を想定していないはずもないし、70日しか開催できないわけではなく、論理は既に破綻しています。
逆に、そうであるなら、参議院の緊急集会を使って内閣が居座れるんだという論を展開されている方もいらっしゃるんですけれども、それは承知しているんですけれども、あくまで災害時、緊急時なのですから、あえてフルスペックではなく小さめの制度につくって、一刻も早く衆議院選挙をやる復元力を確保した設計になっていますし、このようなことももう議論済みですね。
改憲派が言うような想定外の抜け穴は存在しないんです。
したがって、改憲派の任期延長案は、デメリットはあるんですけれども、メリットがないんですよ。
壊れたテープレコーダーがとか維新の馬場さんは本日もおっしゃっていたけれども、あなた方です。
論理的に結論は出ていますので、今こそ打ち切るときです。
何事も議論はいいことだとざっくり毎週やられても、これは国民にとって迷惑でして、国会は一つしかないし、毎週毎週こんな論外の会議を開かれては困ります。
ほかに、国民経済を救うためのこと、又は、災害時でも選挙が実施され、選挙権が行使できるための委員会を開いたりしなければいけないですから、そういうことを変えていけば、先ほど出しておられるシミュレーションも結果が変わってくるということですね。
改めて会長には、毎週開催はせず、任期延長改憲の議論は打ち止めを求めます。
以上、私の意見陳述を終わります。
枝野会長 大石さん、今の話の途中で、船田幹事と馬場幹事に御質問と受け止めてよろしいですか。
大石 はい。
枝野会長 しかし、今、大石委員の持ち時間が切れるところでございますので、今の御答弁は、各会派一巡が終わったところで、もし可能であれ
ばそれぞれお答えください。よろしいですか。
大石 はい。ありがとうございました。
※各党発言(大石が質問した自民・船田氏、維新・馬場氏以外は掲載省略)
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枝野会長 次に、委員各位による発言に入りますが、その前に、ただいまの一巡の御発言の中で馬場さんと大石さんから私への御要望がございましたが、それにつきましては、船田代理そして野党筆頭と御相談の上、幹事会で後刻協議をいたします。
次に、大石委員からの質問に対し、船田委員、御回答できますか。
自民・船田委員 先ほど大石委員から御質問のありました、選挙の一体性の要請はどこにあるのかということですが、御承知のように、憲法43条、「両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。」と書いております。これは平たく解釈をすれば、やはり、全選挙区から選ばれる人が議員として存在をして、そしてそれが全国民を代表するということになるべきだと思っております。
もちろん、先ほど北神先生もちょっと御指摘がありましたように、一人の議員が全国民を代表するというふうにも解釈はできますけれども、現代のこの解釈の在り方としては、やはり全国民の代表という点では、選挙区を全て選ばれる議員で構成をされるということが極めて重要な要請だと思っております。
それから、実体的に一体性を捨て去りますと、結局、選挙というのは繰延べでやらざるを得なくなると思います。
ただ、繰延べの問題点は、先ほど私が申し上げましたように、最初の選挙の結果が出た後、繰延べで投票が行われていくと、その最初の選挙の結果が、その次の繰り延べられた期日における選挙の結果に影響を与えるということ。
これは、投票の秘密との関連もあって、放置はできない問題であると思っております。
それから、そういった、ある意味でゆがんだ形での投票が行われ、そしてそれによって衆議院が構成された場合、首班指名というのは、そのゆがめられた状況の中で首班指名が行われるという危険性がありますので、そういった点でも、やはり選挙の一体性というのは実体的にも私は確保すべきである、このように思っております。
枝野会長 馬場さん、御回答されますか。
維新・馬場(伸)委員 大石さんから、るる御質問がありました。
今日冒頭で橘局長がお配りをした資料2をもう一度御覧いただきたいと思いますが、我々は、選挙困難事態の定義というものを、
1、「前提」のところに書かせていただいております。緊急事態により、国政選挙の適正な実施が、広範性の要件において、長期性要件に基づいた困難であるということが明らかであると認められるときということを大前提条件としての定義と位置づけています。
その上で、よく聞かれるのが、それなら、どういう想定外のことが起こるんでしょうかということを聞かれることがありますけれども、想定外というのは、想定できないから想定外であるわけであります。
いみじくも、東日本大震災のときに、枝野会長が当時官房長官をお務めになられておられまして、日々の記者会見で、テレビカメラの前で、記者の質問に対して、それは想定外です、それは想定外ですと、何度も想定外という言葉をお使いになられました。
この地球上に起こる全てのことを我々が想定できているというわけではありませんので、ですから、そこは、どういうことが起こっても対応していけるという体制をつくるべきであるというのが、我々の全ての憲法条文に対する考え方のベースになっているということを申し上げておきたいと思います。
もう一点、大石さんが、こういったことは時間の無駄なのでこの議論も打ち切るべきだ、そうおっしゃっておられましたが、それには全く同感です。
もう既に、3年間で50回にわたる、緊急事態条項についての議論を積み重ねてきておりますし、我々は、国民民主党さん、有志の会の皆さんと条文策定にも着手をいたしました。
ですから、もう議論する余地はないと今日も申し上げたと思いますけれども、
大石さんの御提案どおり、議論を打ち切って採決をするべきであるということに同意を是非お願いしたいというふうに思います。
(※)「馬場氏らの論理は破綻しており、議論の意味が無いから打ち切るべき」との大石発言のうち「打ち切るべき」との結論のみを摘示することにより、大石が馬場氏に同調しているかのように誤導しており悪意ある発言と言える
枝野会長 大石さん、1分程度でコメントされるか、それとも、自由討議の一環として5分程度お話しされるか、どちらにされますか。
大石 では、後の5分でまとめて。
枝野会長 自由討議、3分のところで、では、後ほど。
3分でした、ごめんなさい。
大石 再質問になるんですけれども、そのときは。それはやっていいんですね。
枝野会長 はい、それで結構です。
大石 分かりました。
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※以下、大石3分質問のくだりを抜粋
枝野会長 では、発言を希望される委員は、お手元にある名札をお立ていただき、私の指名を受けた後、御発言ください。
発言は自席から着席のままで結構でございます。
なお、発言の際には、所属会派及び氏名をお述べいただくようお願いいたします。
発言が終わりましたら、名札を戻していただくようお願いをいたします。
また、幹事会の協議に基づき、一回当たりの発言は、ごめんなさい、3分以内といたします。
その中で、質疑を行う場合は、一回当たりの発言時間は答弁時間を含めて5分程度となるよう御配慮ください。
委員各位の御協力をお願いいたします。
発言時間の経過につきましては、それぞれおおむね3分経過時、5分経過時にブザーを鳴らしてお知らせいたします。
それでは、発言を希望される委員は、名札をお立てください。
※各党発言(省略)
大石 れいわ新選組、大石あきこです。
先ほど、船田幹事と維新の馬場さんにお伺いしたことの、私の改めての見解なんですけれども、私が冒頭主張したのは、憲法15条は非常に重いよということを言っているんです。
国民固有の権利である、衆議院を国民が選ぶということ、これはむちゃくちゃ重くて、それを上回る理屈があるんですかというようなお話をしたんですよ。
馬場さんがおっしゃったのは、資料2の構成要件、選挙困難事態の定義が二つありますねと言っていて、まさにその二つが立法事実がないんじゃないんですかという質問なので、答えになっていませんでした。
自民党の船田さんは、お答えになっていたんですけれども、一体性の話で、あった方がいいというのはそうだと思いますよ。
だけれども、やはり、憲法15条、国民がまず選挙で選んで始まるんだというところに対して、それを上回るような理屈ではなかったと考えております。
それから、改めて再質問なんですけれども、維新の馬場さんなんですけれども、また有志の北神さんにも同様にお聞きしたいんですけれども、そのお二人の今日の主張では、非常に、安全にも安全を重ねて、この任期延長をやった方がいいんじゃないかというようなお話だったと思うので、そういう話を聞いているときに、少なくとも二点思い立ったんですが、安全に安全を重ねる議論であれば、原発が有事のときに危険だという指摘というのはよくなされているわけですけれども、原発が危険だということに関しても言及されているのであれば論理的一貫性があり得るのかもしれないと思ったんですけれども、お二人はそれについてどう考えるか。
原発以外にもう一つ、地元をよく知る被災地の人が任期延長で議員にならなきゃいけないとおっしゃっているんですけれども、もしその方が亡くなったときという想定は、安全に安全を重ねるなら、したのでしょうか。
やはり、その場合、被災地から選挙をして選ばないといけないと思うんですが、そこの想定をしたことがあるのかというのはお聞きしたいです。
それから、有志の北神さんが、立法事実という定義に関して、単に過去に生じたものというのは限定的だとおっしゃっているんですけれども、少なくとも有識者や、私もですが、単に過去に生じたことしか立法事実にしちゃいけないとは言っていなくて、蓋然性であったり総合的なバランスで立法事実を定義しているので、ちょっとそういう立法事実が、違う側の考え方の方の解釈を狭めているのではないかなと思いました。
以上です。
枝野会長 今、最初の質問は馬場さんにでいいんですね。それで、北神さんには最後の一つ。
大石 いえ、お二人、共に。
枝野会長 最初の二つとも二人。
大石 はい。安全に安全を重ねていると。
枝野会長 はい。じゃ、馬場さんには二つ質問が行っていますが、2分程度で、申し訳ありませんが、お願いします。
維新・馬場(伸)委員 すばらしい御指摘を大石さんからいただいたと思います。
大石さんがるるおっしゃったようなことがいわゆる想定外の部分だと思いますから、そういった想定外が起こったときにどうするかという手だてを我々は考えているわけであります。
(※)大石が「①原発の危険性と②議員が死亡した場合を想定して検討したか」と質問しているのに対し、「だから想定外の事態に対応するために憲法改正を考えている」のだとの内容無き回答は、事実上、「想定・検討していなかった」という回答と同じ。
今日大活躍されている長谷部教授と同じグループだと言われていました東大の高橋和之教授は、この審査会に来られたときに、想定外のことが起こったときに、学者である高橋先生は、どういうふうに想定外に対応するべきだと思われますかという質問に対して、考えられないことが起こったときは、政治家が政治の場で決めるべきである、そういうことをおっしゃっています。
ただ、そのことについて、先に想定外が起こるという手だてを行うべきであるということを我々は主張しているわけでありますし、現実的に、今日の私の発言の中でも申し上げましたが、ウクライナでは大統領選挙も国会議員の選挙も延長になっているんですね。ですから、そういうことが起こるということは世界に絶対ないと……
(大石「原発のことを聞いています」と発言)
いや、だから、原発のこともそうですし、そういういろいろなことを、やはり想定外という中に包含しておかなければならない、それが我々の考え方です。
枝野会長 不規則発言は、大石さん、おやめください。
じゃ、北神さん、2分程度で。申し訳ありません。
有志の会・北神委員 原発ですね。
(大石「原発と、亡くなった方、被災地で、衆議院、亡くなった場合」と発言)
亡くなった人。
原発についても私は同じ考えで、これはやはり危機管理の発想なんですね。
ですから、やはり、原発の危険性というものを科学的見地に基づいて考えなければいけないし、それに対して何か起きたときにどういう対応をするかということも考えないといけない。
我が国の問題は、原発を誘致するときにも、これは必ず、絶対、何の事故も起きないということを求められるわけですよ。そうすると、その過程で、いざ事故が起きたとき、要するに危機が生じたときにどう対応するかということを全く考えないというところが私は問題だというふうに思います。
二つ目の、亡くなる、それはそういうこともあり得るとは思いますけれども、その場合は、もう何とも対応できないと思います。だって、現に選挙もできないし、その方が生物学的に亡くなってしまうわけですから、それはもうやむを得ないというふうに思います。
これは二点目です。
三点目は、立法事実、大石さんがどう考えているのかというのはちょっと分かりませんが、今までの議論を聞いていると、立法事実というのを非常に狭く解釈をして、皆さんからすれば仮定に仮定を置くというような話ですけれども、私が今日お話ししたように、地震学の科学的見地に基づいて、東日本大震災よりも規模の大きい、相当選挙にも影響してくる可能性があるということは合理的に予想される。
それを仮定に仮定を重ねているというふうに言われちゃうと、本来、立法事実というものの定義には逸脱してしまうんじゃないか。
より抽象的に、可能性も含めて考えていかなければいけないというのが私の考えです。
(※)大石が「①原発の危険性と②議員が死亡した場合を想定して検討したか」と質問しているのに対し、二人とも「想定した」という回答ではなかったので、事実上、「想定・検討していなかった」という回答と同じ。
枝野会長 大石さん、申し訳ありませんが、十分今日は御発言の機会をつくりましたので、今日はここまでにしてください。
※各党発言あるが大石の発言に関するもの以外、省略
維新・和田委員 それともう一点、最後に、大石委員が言われたように、やはりこれは議論を打ち切って採決をすべきだということに対して、枝野会長はお答えになっておられませんので、お答えを求めたいと思います。
(※)大石は会長に対して「議論を打ち切れ」と言ったのであって「採決すべきだ」とは言っていないし、採決すべきでないから打ち切れと言ったもの。会長に対して、論点が出尽くして立法事実がすでに無い、任期延長改憲の議論を打ち切れと言っているだけである。
枝野会長 それについては、船田会長代理や武正野党筆頭と御相談の上、幹事会で協議をいたします。大石さん、何度も御発言をされていますので、 あと、長く札が立っている方は米山さんだけですので、時間がちょっとすぎておりますが、米山さんまでやらせていただいて、今日は締めたいと思います。
※参考資料:衆議院法制局 衆議院憲法審査会事務局 「資料1 緊急事態条項(国会機能維持)の主な論点(イメージ)」

※参考資料:衆議院法制局 衆議院憲法審査会事務局 「「選挙困難事態」に関する立法事実 についてのこれまでの議論の概要 参考資料」
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※衆議院、憲法審査会 会議録より転載。大石あきこ事務所にて編集
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