【データ解説】万博協会と大阪市長のメタンガス測定結果「安全です」はデマ。夢洲を万博会場にしたヤツ誰?ダーツで刺さったとこ選んでもこうはならん。

こんにちは。

れいわ新選組 大石あきこです。

 

7月4日、大阪市内の咲洲(さきしま)に行きました。咲洲は、万博工事中の夢洲(ゆめしま)の、隣にある島です。
なぜ咲洲に来たかというと、万博協会のレク(レクチャー/説明)を受けに、大阪府庁咲洲庁舎の会議室(23階)に来たのです。
もともと私はその庁舎の21階で働く大阪府職員でしたので、なつかしいっちゃそうですが。

来てみれば、2階のランチ場所は全て閉店。

このぶんじゃ、あいかわらず職員は、融通も聞かないお昼休みのチャイムがなって、エレベーターに並んで、1階のローソンのレジにとぐろ巻いて行列を作り、おにぎりやサンドイッチでしのぐ日々なんやろなあ。

外出るといっても周りは大半駐車場とぺんぺん草やし。


いや、ほんま、このビルを買った橋下徹知事は先見の明がないどころの話じゃないよな。

 

というか、もともと「維新」が結成されるきっかけは、この咲洲庁舎(WTC)やからな。

WTCビルを府庁本庁舎にしたら大阪は良くなるんや!

「関西州」の州都にするんや!

とのワイルドな思いで、松井一郎氏(当時自民党の府議)と橋下徹氏が作ったのが維新やから・・・

 

果てには、松井一郎氏が夢洲で万博カジノやったら大阪は良くなるんや!と言い出し。

【証拠】

「夢洲は、要は知事(※松井知事)の試案ということで、知事の思いということで、この場所で出来ないかということでお示しをした場所でございます」
(2016年7月22日「2025年万博基本構想検討会議 第1回整備等部会」議事録)

そして、安倍元総理にお酒をつぎ倒して実現

要するには、シラフやない連中が決めた場所だということになります。

実際に、
芸術が爆発ではなくガスが爆発した夢洲万博のことで、今日、説明を受けに来ているのだからな。

 

ほんま目利きの悪い奴が知事やら市長になったら、その都市は終わるわ。

 

万博の、東トイレ棟、メタンガスやら一酸化炭素、硫化水素がむちゃくちゃ出てて、よくもまあ、こんなところ選んだもんやで。

ダーツで刺さったところ選んでも、こんなことにはならんわ。

 

という思いをしながら、

7月4日、大椿ゆうこ参議院議員(社民)、野々上愛大阪府会議員(立憲)と合同で、博覧会協会(万博協会)から説明を受けました。

 

レクでは、万博協会が、6月24日に公表した「メタンガス等に関する会期中の安全対策について」の資料にもとづいて説明されました。

 

資料は以下の万博協会HPから閲覧・ダウンロードできます。

https://www.expo2025.or.jp/news/news-20240624-02/

 

 

レクの場で明るみになった問題点など、大椿ゆうこ議員がブログhttps://ohtsubaki.jp/230704_expo/)で簡潔にまとめてくださっています。

 

その後、28問の質問を、まとめて協会に提出しました。

7/12までに回答を求めています(回答が来たらまた書きますね)。

 

ここからは、まずは万博協会がどんな資料を公表してるの?

について、もう少し細かく解説します。

 

なぜ細かく解説するかというと、
万博協会の公表資料は、
意図的に「高濃度スポットが存在する」ことを隠すために作ったか、
ちゃんと説明する力がないなのか、
どっちかなのですが、ほぼ間違いなく前者の「隠すため」です。

 

なので印象操作、デマを暴かないといけません。

 

そんな資料をもとにして、万博協会と維新・横山大阪市長が、安全だから工事も遠足も予定どおり進めると言っているのは、悪質きわまりない。

 

以下、公表資料にそって説明します。

 

まず、万博会場の全体図をおさらいしておきますね。

(上図は、万博協会の資料本編の1ページ目)

 

主な工事エリアの区分けは、

GW(グリーンワールド)工区

PW(パビリオンワールド)工区

となっています。

 

そして、上図のGW工区の文字のの真下くらいにある東トイレ棟がメタンガス爆発しました。

 

爆発後の対応がなっていないと批判されて、

万博協会はこの測定結果資料を作成、公表したわけですが、果たして誠実な資料になっているのか?

 

資料にそって、測定結果をみていきます。

 

その1.
GW工区にあるガス抜き管26本のメタンガス

 

ガス抜き管26本の、メタンガス濃度測定結果をみていきましょう。

ガス抜き管の配置は、以下の図のとおりです。

(上図は、万博協会の資料本編の3ページ目「図3」)


その測定結果の一覧表が、以下です。
「表を見るのは苦手」という人は、いったん、表は読み飛ばして大丈夫です。

(上表:万博協会の資料本編の4ページ目「表1」。色付き丸囲みは大石によるもの。)


この表の結果については、資料には、以下のように書かれています。

 

作業基準値以上の濃度が確認されたことはありましたが、いずれもガス抜き管周囲での再測定の結果は、ガス検知されず又は低濃度の検知であり、安全に作業ができる濃度であることを確認しています。

 

「安全に作業できる」?

 

そーなん?

「安全に作業できる」て文章で書かれてて

この一覧表をぱっと見るだけだったら、

「確かに、ほとんどの測定結果が、ガスの濃度は”検知なし”(ゼロに近い)になっているな」

「ごちゃごちゃしてて、よくわからん」

くらいの印象になります。

 

この資料では、ガス抜き管26本の複数回の測定を、全部ごっちゃに足し合わせた表にして、かつ、数値の解説はほぼなく、基準値超の地点も再測定したから「安全に作業できる」などと記載したために、

私も、以下の重大な点を見逃してしまいました。

 

重大な点の見逃し1

最高濃度がわからない。

(例えば上の表の赤丸の囲みのように「1.5vol%以上」とする測定結果では「何vol%」なのかわからない。

5vol%を超えたら爆発し得る濃度となるが、そのような高濃度はなかったのか?)

 

重大な点の見逃し2

地点別の傾向がわからない。

(高い地点、ほぼゼロ「検知なし」の地点をごちゃまぜにしたら、高濃度頻発スポットの有無がわからない。)

 

これは、追加質問を行おうと思います。

 

以下、測定結果の問題点が見えやすいようにグラフを作成しました。

 

上の表で、測定回数が

昨9月~3月期(赤丸がついてる欄)は計1560回、

4月期(黄丸がついてる欄)は494回、

4月~5月期(青丸がついてる欄)は593回、

このように大きく違っているので、

 

同列に比較がしやすいように、

 

測定回数100回換算になおして、ガスの濃度と検知された回数をグラフにしました(下図)。

(万博協会資料の表1の数字をもとに、大石あきこがグラフ作成)


なお、

昨9月~3月期(赤丸がついてるグラフ)は1.5vol%未満か以上か

4月期(黄丸がついてるグラフ)は0.5vol%未満か以上か

4月~5月期(青丸がついてるグラフ)は0.25vol%未満か以上か

と異なる基準値で測定結果をまとめているのは、万博の工事の管理基準が変わったからとのことです。

ガス爆発事故前は1.5vol%という労働安全衛生規則に基づく基準だったのが、事故後にGW工区において自主基準という少し厳しめの基準0.5vol%で評価し、さらに4月末以降はGW工区において0.25vol%の基準値で評価しているから、ということです。

 

測定回数100回換算にしたグラフで、わかることとして、
白い棒グラフ「検知なし(≒濃度がゼロ)」の割合は、

昨9月~3月期赤丸がついてるグラフ)は73%、

4月期黄丸がついてるグラフ)は69%、

4月~5月期青丸がついてるグラフ)は71%

でした。

検知なしは70%前後で推移、つまり、何らかのガスを検知する率は30%くらいを推移しています。

 

次に、わかることとして、

どの期間のグラフも、高い濃度のほう(色の丸がついてるほう)がたくさん検出されていますよね。

 

例えば、

昨9月~3月期赤丸がついてるグラフ)では、

1.5vol%未満の測定回数よりも、1.5vol%以上の測定回数のほうが多いので、労働安全衛生規則を超える頻度のほうが高いということになります。

「検知なし(ゼロに近い)」が多数なのに、なぜそんなことが起きるのか。

これは仮説となりますが、このごちゃまぜにされた26地点の中には、1.5vol%以上の高い濃度が頻発する地点と、ほとんどゼロ濃度の地点が混在している可能性があります。

 

そうであるならば、高濃度の頻発地点で、労働安全衛生規則を超える(=すぐに退避しないといけないレベルの)1.5vol%が出ても、再測定で、基準値未満が検出され次第、「安全だ」として作業をおこなっていることになります。

 

実際に、昨9月から、各地点での測定はしていたのに、3月28日に大規模な爆発事故が起きたのですから、各地点の情報を出さないとダメです。

 

その2.
GW、PW工区の地下ピットと屋内のメタンガス

(上図は、万博協会の資料別添1と別添2)

 

うぉおおおおい
ご、ご、5vol%超えとるやないかー!

 

5vol%(100%LEL)は、爆発下限界です。

爆発する濃度です。

 

1.5vol%が、労働者がすぐに退避をして濃度低減策を講じなければいけないレベルなので、

5vol%はどんだけやばいん。
現在の管理基準0.25vol%の20倍なんですけども?

 

しかし、万博協会からは、そのような危機感をもった説明は出ませんでした。

 

資料のポイント1

 

資料には「5vol%超」「5vol%over」とあるだけで、それが「何vol%」なのか記載がありません。

資料のポイント2

別添2の測定地点No.5において、メタンガスの爆発下限界5vol% (100%LEL)超が検出されたのは3月1日。

これは、つまり爆発が起きる3月28日より前の測定結果

当時の管理基準値1.5vol%よりはるかに高いですが、この測定値が判明して何らかの措置を取ったのでしょうか?

これは協会に質問を投げています。

 

資料のポイント3

メタンガス爆発が起きた東トイレ棟の地下ピット(別添1)と、その周辺(別添2のNO.5とNO.6)が、元々の労働安全衛生規則の基準値1.5vol%(30%LEL)どころか爆発下限界の5vol%(100%LEL)をも超えている。

東トイレ棟の地下ピット周辺は、超高濃度スポットで、もともと周辺で作業すること自体が危険と予測できたのではないか。そして今も続いているのではないか。

 

資料のポイント4

爆発したGW工区のみならず、

PW工区のNO.2において1.5vol% (30%LEL)が5月29日に検出されている。労働者がすぐに退避しないといけないレベル。

他の地点(No.1からNo.4)においても0.15vol% (3%LEL)以上の濃度が検出されている。

この結果からして、PW工区も「十分に濃度が低い」とは言えない。
PW工区においては、ちゃんとした理由なく、いまだ1.5vol%の濃度で管理している。PW工区も、GW工区と同じ厳しいほうの値0.25vol%(5%LEL)で管理するべき。

 

 

 

その3.
ヤバいのはメタンだけではなかった!一酸化炭素と硫化水素も高すぎ!


メタンガスだけではなく、

東トイレ棟地下ピットと、西トイレ棟地下ピットは、一酸化炭素の濃度が基準値の50ppmが頻出、MAXでは500ppm超が出ています

一酸化炭素500ppm超え、しかも何ppmか不明って、ヤバすぎんか?

政府(厚労省)によると、

 

空気中の一酸化炭素濃度が

「200ppm」の場合、2~3 時間で軽い頭痛

「800ppm」では2時間で失神、

「1,600ppm」では2時間で死亡する


こわ。

 

上の図の別添4を見ていただきたいです。そろそろ図の中の数字を見慣れて来た人は気づきますね。

「50ppm超過」の測定回数のほうが「50ppm以下」の測定回数よりも多く、
特に東トイレ棟地下ピットは、基本的に基準値の50ppmを超えています。
危なない?普通に。そんなトイレ行きたい?

最高濃度が500ppm超で、それが何ppmなのかは書いていませんのでね。


失神するレヴェルの800ppmは出ていないのですか?

死亡する1600ppmは出ていないのですか?

 

そして・・・硫化水素も見てください。

いやもうあかんて。

どちらも基準値の1ppm超出てるし、特に東トイレ棟。MAX20.3ppm。

 

硫化水素(H2S)
10ppm 程度から眼の粘膜を刺激するので、10ppm を超える濃度の場所が硫化水素中毒危険場所となる
20ppm では、嗅覚疲労が起こり硫化水素濃度の上昇を感じなくなる。
100ppm では、長時間暴露で呼吸器が損傷 し窒息死する。


政府(厚労省)によると・・・

 

あかん。肺炎、肺水腫なるわ。 

 

 どこかのメディアが「ウンコくさい万博」と言ってましたがウンコくさいレベルじゃ済まんわ。


もちろん万博協会は、そんな話はしてくれませんでした。

ガス抜き管26本の測定結果も、一酸化炭素をはじめとする各指標、思い切り基準値超過した表を載せて置きながら、
メタンガスと同じように「再測定したら基準値以下」だって。

で、まとめとして以下が書いてました。

<測定結果のまとめ>
〇200ppm を超える高濃度一酸化炭素を検知したのは東トイレ近辺(別添 8 No.5 及び No.6)に限定される。 

いや、前向きやな。
500ppm超える(何ppmか不明)、へたしたら失神させられる一酸化炭素濃度でも「2地点に限定される」。対策必要だ、とは書かない。
万博協会、むちゃくちゃ前向きや。

その資料の公表のあと、記者会見で「安心して、信じてほしい」ゆうてたな。

無理やわ。

そして、高濃度対策は、あくまで万博の会期中(開催期間中)です。
有識者に、万博の会期中だけの対策へのコメントさせて、「対策の方向性は妥当」とまとめています。

つまり、作業員さんたちには、対策無しで工事をやらせています。

メタンガス爆発させておいて、ひどすぎる。

このひどい人たちの「安全対策」を信じて遠足に行く子どもたちをゆだねるのはあり得ません。

  

以上、つらつらと書きましたが、

このような万博協会側の不誠実な測定結果の説明資料、それに基づく万博協会と横山大阪市長の「安全」アピールは、あまりにも不審です。

とくに横山市長のブログ「会期中の安全対策(メタンガス等)について」

(https://ameblo.jp/yokoyama-hideyuki/entry-12858323635.html)は、万博協会の資料の「安全アピール」の中でも薄いところをかいつまむという、さらに不誠実なものなので観てください。

作業員さんの安全を守るために至急以下の対策が必要であり、求めていきます。

 

●ガス抜き管等における高濃度地点をハッキリさせること

 

●東トイレ棟、西トイレ棟、その他の高濃度地点を重点に、モニタリングデータをリアルタイムにでも公表すること

 

●GW工区のみならずPW工区でもメタンガスを0.25vol%(5%LEL)を火気使用の基準とするべき。

 

 

そして、

●そもそも、メタンガス、一酸化炭素、硫化水素も基準超過が頻発するような場所で万博やめろ。万博協会と横山・大阪市長は「安全」アピールするな!

責任者出てこい。

いったん、以上です。

 

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