2024年4月3日【内閣委員会】で、セキュリティクリアランス法について高市大臣に質問しました。
====
星野委員長 次に、大石あきこ君。
大石 れいわ新選組、大石あきこです。セキュリティークリアランス法案について。
高市大臣、与党自民党の裏金問題が解決していない中で、高市大臣はなぜこの法案を審議するんですか。
高市国務大臣 この法律案が、国民の皆様の安全を守るためにも、そしてまた今後の日本経済の発展のためにも、
また国際協力を深めていくためにも、重要な法律案だと考えるからでございます。
大石 この法案は、既に導入されている特定秘密保護法との一体運用によって、安全保障に係る国家機密を
経済安全保障の分野に拡大し、大幅に民間に拡大、活用させていくというものです。
この法案の安全保障とは、実質的には米中対立の中でアメリカ側の安全保障戦略に日本が組み込まれるものであり、
具体的には軍事的、経済的な対中包囲網のことです。この法案は、まさに時の政権が国民に何を秘密にするのか、
これを決める重大な法案なんです。
裏金をやっていた派閥の全容解明がないですとか、統一教会との関わりの解明がないですとか、その自民党、
与党の政権が国民に秘密をつくっていいですかともし国民に聞けば、それでいいよと言う人はいません。
密室でこのようにやっているから、このようなことが粛々と進んでしまうんです。
そもそも、この特定秘密保護法は、2013年、10年前に国会で大騒ぎになって、それで強行採決されて
成立した法律なんですけれども、これを今回、曖昧にも拡大をしていく法案なのに、こんなに静かに、
せいぜい、ちょっとした修正協議で進めていくとか、こういう流れ自体が非常におかしい。
先日の参考人質疑のときに、情報公開の行政実務も長年されている専門家もおっしゃっていましたが、
そもそも政府の情報というのは原則公開です。
原則公開なんですけれども、この法案はそれとは逆の発想で作られて審議されています。
高市大臣に伺います。今回のセキュリティークリアランス法案については、海外の政府との秘密情報の
やり取りが非常に重視されていますが、この法案の完成に至るまで、どの国と、いつから、
どのくらいの回数の打合せが行われましたか。
高市国務大臣 これは、一義的には我が国の行政機関が持つ情報の保全、これを目指すものでございます。
そしてまた、日本の企業の国際共同開発などへの参加などのチャンスも広げるものでございます。
海外政府との打合せということになりますと、これは政府間のやり取りでございますので、
詳細にお答えすることは差し控えさせていただきますが、私自身は、一昨年8月に就任して以来、
あらゆる機会を捉えて、各国の政府関係者、また各国の代表的なシンクタンクの方も含めて情報交換をしてまいりました。
それは、相手の情報を集めるため、制度の詳細を知るためでございます。
大石 この質問は質問通告していますので、具体的に、どの国と、いつから、
どのくらいの回数の打合せという質問でしたので、具体的な数字でお答えできる内容なのに、
そのようにおっしゃらないというのがおかしいんですね。
例えば、過去の答弁の方がまだましだったんですけれども、過去の答弁でいうと、こんな質問がありました。
アメリカ財界からの年次改革要望書の要求に含まれていた郵政民営化法案のことで、2005年の郵政民営化法案の審議では、
政府の郵政民営化準備室とアメリカ政府関係者との協議が、2004年4月以降、18回行われ、
うち5回はアメリカの保険業界関係者との協議であったと国会質疑で答弁しています。
この程度のことを明らかにできずに、ちゃんと審査したとは言えないんです。ほかに、私の質疑だけではありませんけれども、
外交、その二文字さえあれば伏せられるような空気になってしまっているのは異常です。
この法案そのものが、ちゃんとした審査がまず不可能なんですね。懲役5年の重い罰則が絡む法案を、
適用範囲の詳しくは法案成立後に政府が運用基準で決めていきます、それから、労働者の身元調査という、
重大な人権侵害に関わるものですけれども、この詳細は法案成立後にちゃんと閣議決定で決めていきます、
国会監視の仕組みがないと指摘されて、いや、それは知っていたけれども国会で議論をしてくださいねとか、
本日も、国民の知る権利、どうするんですかに、成立後ちゃんとやりますですとか。
又は、政権の身内には甘い制度だということも明らかです。
これは、だからもう法案の審査でも何でもなくて、単に、経済安保の秘密絡みにつきましてはざっくりと
岸田政権に丸投げでよろしいですかと聞かれているのと変わらないんですよ。
だから、本来、ここで審議を差戻しにするべきなんです。
ちょっとした修正協議とか修正ぐらいで、これは皆さんも成立させるんでしょうか。
それでいいわけがないんです。
改めて、この法案は、既に導入されている特定秘密保護法との一体運用によって、
安全保障に係る国家秘密を経済安全保障の分野に拡大し、重要経済安保情報を大幅に民間に拡大、活用させていくというものです。
確かに、外国政府からの経済的威圧、介入、またスパイ行為などに対して国民の安全を守るというのは、
これは響きはいいんですけれども、この法案が通ったからといって国民の安全は守れません。
というのも、アメリカ政府からの介入に対しては、全然見えない、透明な状態、ノーカウントにされていまして、
ただ、結果として国民の実害となっているんですね。
過去でいうと、例えば以下のものです。パネル、資料を御覧ください。
大石 米国、アメリカの要請として報道されてきた事象の例です。
一番、日米半導体協定。日本は半導体を、中国を除いて、ちゃんと獲得していく、それに仲間外れにされたら駄目なんだと
今必死ですけれども、1986年にアメリカの要請で日米半導体協定、日本の半導体政策の失われた10年だと言われています。
次、普天間飛行場の辺野古移設。これは、25年たっても普天間が返還されずに、
米軍基地、辺野古の新基地建設になっているんですね。
郵政民営化。これも、日本の郵便局、郵政のことじゃないのかと。そうではなくて、アメリカの年次改革要望書に記載されています。
外資系保険会社に郵貯資金を開放して、サービスは低下しました。
オスプレイ爆買い。制御できずに墜落。日本は世界で唯一の輸入国です。
集団的自衛権の行使容認。2015年に成立しました。アメリカの戦争に日本が巻き込まれるおそれが増える。
この法案も大いに関係があります。
それから、最近、紅こうじ成分のサプリメントということで、機能性食品というのが大きなニュースに、
事件になっているんですけれども、これも関係がないわけではなくて、これも年次改革要望書における
アメリカの規制緩和項目でありまして、ほぼアメリカの制度と似たようにつくっていますけれども、
日本においてはアメリカの制度の報告義務さえないということが問題になろうとしています。
そして、この法案自体も、アメリカの中国に対抗する政策、対中政策の変更を受けて、
アメリカの強いプッシュで日本で推し進めさせられてきたものの一つです。
よって、先ほどの資料に書いてある実害のように、ほとんどの国民の知らないうちに、アメリカの言うとおりにして、
国民がひどい目に遭わされる可能性が高いのではないかと。
特にやばいのが、この法案がファイブアイズに参加するステップとされている点です。
ファイブアイズとは何か。資料です。
大石 この委員会でもたくさんファイブアイズについて言及されてきました。ファイブアイズとは、
五つの目を意味するファイブアイズ、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの
五か国だけが共有する秘密情報ネットワークです。
このファイブアイズについては、1950年代には存在していましたが、2010年くらいまで存在自体が秘匿されていました。
隠されていた。2013年には、エドワード・スノーデンという、アメリカの国家安全保障局、NSAの職員、
つまり諜報組織の職員が情報を公益目的で暴露したことが話題になりました。
このファイブアイズ、電話やネット上のほとんどあらゆる活動を完全に記録、保存できる大量監視システムが
開発、配備されているという内容でした。ここで伺います。
高市大臣、この法案はファイブアイズに入るための必要条件となるという認識でよろしいですか。
高市国務大臣 全くファイブアイズとは関係がございません。
大石 では、この法案の狙いかどうかはさておき、政治家である高市さんは、このファイブアイズに入るべきだ、そのように考えられますか。
高市国務大臣 それは日本国政府として判断をされるべき問題だと思います。私個人がどうすべきだというような話ではないと思います。
少なくとも、この法律案とは全く無関係でございます。
大石 財務副大臣の辻清人副大臣の御見解もお聞きしておきます。
御自身でファイブアイズ入りを目指すべきだと公言されていますけれども、その見解でよろしいですね。
辻副大臣 済みません、外務副大臣の辻でございます。(大石「失礼しました」と呼ぶ)
大石議員の質問にお答えします。
我が国を取り巻く国際情勢は一層厳しさを増していますが、政府全体の情報収集、分析能力の向上を図ることは不可欠ですが、
委員申し上げたアメリカやイギリスを始めとする関係国と平素から緊密に連携して情報交換等を行うこと、
そういったことは重要でございますが、事柄の性質上、お答えを差し控えますが、ファイブアイズ五か国との関係の
強化についても引き続き取り組んでまいりたいと思います。
大石 ちょっと、イエスかノーかでは今答えられないということでよろしいですか。ファイブアイズ入りを
目指すべきと公言されているので。
辻副大臣 政府の一員として、ファイブアイズ五か国との関係の強化についても引き続き取り組んでまいりたいと思っています。
大石 セキュリティークリアランスは、2022年末に政府が閣議決定した安保三文書の一つ、
国家安全保障戦略に記載された内容の一部で、また、この戦略に基づき、防衛費倍増、武器輸出規制緩和、
敵基地攻撃能力の保有などが進められています。本法は、安全保障戦略の一環で、その中の同盟国、同志国の情報共有の仕組みです。
これまでの、この委員会で、この法案での質疑、参考人質疑の中でも、ファイブアイズ入りのために
このセキュリティー法が必須なのだと、この法案を推進する委員や有識者の方も強調されていました。
この委員会全体を通じても、ファイブアイズに入りたい、むっちゃ入りたいという異常な熱気というのは感じておりますが、
アメリカに日本…………(発言する者あり)でも、それはそういう質問をした方もそうですし、
ホームページでは公言されていたりですとか、笑っておられるけれども、自民党も、ファイブアイズ入りを見据えて
体制を強化すると2020年に提言されていますので、入りたいわけじゃないですか。書いてあるんですよ。
公言されているんですよね。
質問しませんけれども、でも、そういう方々にお聞きしたいけれども、アメリカに日本が諜報されていたという、
この事実とどう向き合われるのか非常に疑問です。
ウィキリークスという情報サイトで、2015年、アメリカの国家安全保障局の大規模盗聴事件、
ターゲット・トーキョーの文書をリークし、アメリカに日本が諜報されていたことを暴露しています。
NSAが、少なくとも第一次安倍政権時から、次に述べるような部署に盗聴していたと。
内閣府、経済産業省、財務省、日銀、同職員の自宅、三菱商事の天然ガス部門、三井物産の石油部門など
計35回線の電話を盗聴していたということが判明しました。これは日本経済新聞でも報道をされていますし、
国会質疑にもなったんですね。
高市大臣に伺いたいんですけれども、この事件、ターゲット・トーキョー、つまり、日本がアメリカに
諜報されていたということについては事実でよろしいですか。
高市国務大臣 それは、申し訳ないですが所管外でございます。私は情報機関を持っておりません。
大石 2015年に国会でそのような質問があって、安倍総理は、仮に事実だとしたら遺憾だというふうに答弁しています。
仮に事実というか、それは事実確認しているんですかね。アメリカにこそ、しっかり対等に抗議して
対処しないといけないですよね。この時点で、私はアメリカの怖さを非常に感じているんですけれどもね。
でも、アメリカだけではなく、この国も同じことを公然とやるということになるんです。ファイブアイズに入ったら、
日本もアメリカのCIAのようなスパイ組織を国内に公然とつくり出すことが求められます。
産経新聞の社説でもそのように書いてあります。既にいろいろな国々で、ファイブアイズの国々で国民監視はなされていまして、
ファイブアイズの国々が国民監視に関する国内の規制を回避するために、互いの国民を監視し、収集した情報を
共有しているという指摘があります。
高市大臣、日本はファイブアイズには入っていないんですけれども連携していると言われていまして、
既にそれらの国々から、国内の、日本の国民監視の情報共有はしてもらっていますか。
高市国務大臣 ファイブアイズ、アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドとは
それぞれ外交関係もあり、また、貿易など様々な分野で連携をいたしておりますが、日本はファイブアイズには入っていないし、
今の日本の状況で入れるわけもないし、全く、情報提供ですとか、国民同士の、要はチクり合いということですか、
情報提供を政府に対してする、そのような事実があるとは承知をいたしておりません。
大石 ファイブアイズが、自国以外の国のそれぞれの国から国民監視の情報共有をしてもらっていないということですか。
(高市国務大臣「分からない」と呼ぶ。)
星野委員長 済みません、申し上げます。明確にしていただいて。
大石 分かりました。
ファイブアイズの国々が、国民監視に関する国内の規制を回避するために、互いの国民を監視し、
収集した情報を共有しているという指摘が、報道があるんですけれども、その報道を基にして、
このようなことは駄目なんだ、だから、ファイブアイズ入りしたときに、これは、日本国内の国民監視が
今国内の法律でできないことを飛び越えて、他国から、ファイブアイズのほかの国から国民監視情報をもらうということが
懸念されるということを私は申し上げております。
まず、ファイブアイズという国々の中で国民監視情報を情報共有し合っているということは御存じですか。
高市国務大臣 私は知りません。
そして、本法案とは関係がございません。本法案は、あくまでも重要経済安保情報、それをしっかりと、
それが明記されたものの取扱いに関する法律案でございます。
大石 本当にファイブアイズに関係がこの法案がないのであれば、有識者を参考人で呼んで
きたときに、ファイブアイズに入るためにこのセキュリティークリアランス法案が大きな要件になっているんだと、
有識者会議にも入られているような方がお答えになっているんですけれども、それは大きな誤解だ、
違うんだということを強調される必要があると思うんですよ。
というのも、ファイブアイズに入りたいと委員会自体もすごく盛り上がっているので、違うんだ、
この法案は全く関係がないんだ、そのパズルのピースではないんだということを明確におっしゃっていただきたい。
そうしないと、そういう委員会になっているじゃないですか。
高市国務大臣 この委員会の冒頭から、委員は、例えばアメリカに強要されて日本がこういうことをやってきた
というような資料も配られてのお話でございますが、この法律案は、自民党ももちろんでございますが、
野党各党も含めて、何年も前から、経済安全保障の強化、そしてセキュリティークリアランス制度の創設、
経済安全保障版のクリアランス制度の創設の必要性、そんなことを多くの議員が真剣に考えて議論をしてこられた、
そしてたくさんの経済団体からも御要望があった、企業からも御要望があった、連合のお話もしっかりと伺った、
その必要性の上に立って構築をしてきて、立案をして、御提案しているものでございます。
ファイブアイズとは関係ないし、アメリカからも何にも頼まれておりません。
大石 いろいろおっしゃいますけれども、明らかに、ファイブアイズに入る少なくとも要件にはなっているじゃないですか。
時間がないということですが、スパイ組織を公然化するような、そのような仲間に入るということは、日本が戦後の……
星野委員長 申合せの時間が過ぎておりますので、おまとめください。
大石 まとめますね。
平和憲法によって辛うじて国際紛争に巻き込まれることを回避してきた、この国の在り方を変えることになります。
絶対だめです。
終わります。
※衆議院、内閣委員会 会議録より転載。大石あきこ事務所にて編集
コメントをお書きください