橋下徹VS大石あきこ 証人尋問&記者会見

みなさん、こんにちは。大石あきこです。

10月27日(金)に、橋下徹VS大石晃子の裁判期日がありました。この日は大石本人が証言台にたっての証人尋問がありました。

橋下徹VS大石晃子の裁判とは、橋下氏が2022年1月24日に、大石と日刊ゲンダイを訴えた裁判です。

 

「名誉棄損だ」と問題にしたのは、以下の2021年12月17日の日刊ゲンダイのインタビュー記事です(リンク)。

「日曜討論」で糾弾したれいわ・大石あきこ議員を直撃 吉村府政の問題点とやり口、岸田政権どう見る?

このインタビュー記事は、2021年10月の衆議院選挙で当選した直後のものです。「吉村人気」の要因として、メディア批判をした次の下りが「名誉棄損だ」と。

(以下、記事の一部引用)

ーー大石議員が度々、府政の問題を指摘しているにもかかわらず、なぜ、大阪では吉村知事の人気が高いのでしょうか。

 

 東京でも小池百合子知事はなぜ、あれほど強いのか。それと一緒の疑問だと思いますが、テレビの影響が大きいでしょう。テレビ以外で説明付く? と思っています。例えば、NHKの日曜討論でも指摘しましたが、大阪は人口当たりのコロナ死者数がワースト1です。しかし、そうした報道は極端に少なく、大阪のコロナ対策は順調のように報じられている。もはや意図的にやっているとしか思えません。

 橋下元知事は気に入らないマスコミをしばき、気に入らない記者は袋叩きにする、ということを丁寧にされていました。新聞社に対しても「あの記者どうにかせぇ」「あの記者やったら、おたくは外す」と。その代わり、「言うこと聞くんやったら、特別の取材させてやる」とか。それはやっちゃだめでしょということまで平気でやっていた。

 飴と鞭でマスコミをDV(ドメスティック・バイオレンス)して服従させていたわけです。現場には真実を報道しようとしている記者もいますが、多くの社は幹部が腰砕け。だから取材しても、ああやっぱり記事にならんかったな、ということは多いですね。

(引用終わり) 

以下、証人尋問のメモ、その後の記者会見の文字起こしを添付します。

長いですが、わりと口語が多いので、どんなやり取りだったか写真とともにお送りいたします。(なお、裁判の尋問部分については、傍聴者による書き取りメモのため、正確でない場合があります。事後に裁判所が作成する議事録により修正予定です。)

1.橋下徹VS大石あきこ 証人尋問

(写真:弁護士さんと裁判所に入る大石あきこ)

日時:2023年10月27日 13時30分~15時

場所:大阪地裁202号

事件名:令和4年(ワ)第512号

 

冒頭、裁判官の交代に伴う弁論の更新、準備書面の陳述、取り調べが行われた。

(以下、■裁判官、●原告側、○被告側)

 

■裁判長:争点は、①日刊ゲンダイの記事でされた事実適示、原告の社会的評価の低下があったかどうか、②真実相当性、③損害額と考えるが、いかがか。

 

○弘中弁護士:事実適示ではなく、論評である。

 

(主尋問)13:40~

○弘中:2021年10月31日に衆議院議員になったが、なぜ議員になろうとしたのか

○大石:大阪府職員として維新政治を見てきて、変えなければならないと思った。

○弘中:甲第1号証(原告が訴えた日刊ゲンダイのインタビュー記事)について、発言は記事の通りか。

甲第1号証「橋下元知事は気に入らないマスコミをしばき、気に入らない記者は袋叩きにする、ということを丁寧にされていました。新聞社に対しても「あの記者どうにかせぇ」「あの記者やったら、おたくは外す」と。その代わり、「言うこと聞くんやったら、特別の取材させてやる」とか。それはやっちゃだめでしょということまで平気でやっていた。飴と鞭でマスコミをDV(ドメスティック・バイオレンス)して服従させていたわけです。」

○大石:その通り。

○弘中:インタビューでは全体として何を発信しようとしたのか。

○大石:インタビューは、当選後1か月くらいの時に、行われた。当時、文通費の問題が大きく注目され、吉村知事が「白アリだ」と問題にしていた。橋下さんも、大石の批判として、「0時間で100万円」とツイッターで言っていた。その流れで、大石が吉村知事が過去に1日で100万円もらっていたことを指摘し、ブーメランと話題になり、取材になった流れ。インタビューでは、吉村知事のコロナ対策がワースト1なのに、持ち上げられているのはなぜなのか、メディアが維新を批判できないことが、橋下元知事から作られてきたことを指摘したもの。

○弘中:「元知事」は、府知事の時のことか、市長時代も含むのか。

○大石:府知事、市長の全期間のこと

○弘中:元知事の対応のどこが問題か

○大石:公務員、選挙で選ばれた首長は、メディアに対して誠実に対応する責任がある。市民への説明責任。それが健全な行政のため。

○弘中:「特別な取材」とはどんなことを念頭に置いていたのか

○大石:MBS山中記者の事例。激撮スクープという番組で放送されていたが、橋下元知事に気に入られて、箱乗り取材もさせていた。

○弘中:「ムチ」とは?

○大石:ニュースゆう、朝日新聞の阿久沢記者の事例

○弘中:「気に入らない記者を袋叩き」とは

○大石:あった。知事になる前から、メディアで味方を作り、懲戒請求を呼びかけるなど。

○弘中:「DVで服従させた」とは

○大石:アメとムチ。

○弘中:この裁判で訴えたいこと

○大石:橋下は、訴状で「報道の自由は制限してはならない」と言っているが、この日刊ゲンダイを訴えたこと自体が、報道の自由の侵害。そういうとこやで。

○弘中:あと5~6分は残っているが、再主尋問に回す。

 

○北村(ゲンダイ弁護士):インタビューはどの記者だったか

○大石:だれだったか、遠山さんか誰か。

○北村:遠山記者だった。ゲラの確認はしたか。

○大石:した

 

(反対尋問①)13:59~

●ミゾガミ弁護士:甲1号証について、

「新聞社に対しても「あの記者どうにかせぇ」「あの記者やったら、おたくは外す」と。その代わり、「言うこと聞くんやったら、特別の取材させてやる」とか。」について、「その代わり」とは、具体的には何を指すのか。

〇大石:先ほども言った通り、朝日の阿久沢記者の事例、この記者はダメだが、他の記者なら取材受けるとか。

●ミゾガミ:「特別の取材」とは何か。「DV」とは何か。

〇大石:MBSの事例もあるが、他の記者なら取材を受けられるという架空の、相対的なアメを与えるやり方。特定のメディアをつるし上げ、特定の記者をたたき、謝罪してきたら取材を受けるなど、DV構造を作ってきたということ。

●ミゾガミ:被告準備書面4の2ページ下で、「被告大石は、かねてから原告の言動に注目して、 必要な情報を集めてチェック した上で、 批判的言動を行ってきた」とあるが、原告の言動をいつからチェックしてきたのか?

〇大石:2008年に橋下さんが知事になった時から。公務員をたたいて財政削減をする手法に問題があると考えチェックしてきたし、職場でも新聞の切り抜き知事の発言は回覧されていた。インタビューを受けたのは2021年12月だが、その後も影響力のある元知事の発言はチェックしていた。

●ミゾガミ:チェックし、言動をデータでまとめることもしていたのか?それはインタビューでの発言に影響したか。

〇大石:データベースということではないが、SNSでもリストに入れるなど、データにまとめていた。発言に影響はしている。

●ミゾガミ:被告資料の乙第28号証(大石の陳述書)の2ページのところで、「橋下氏が知事時代に、アメとムチでマスコミを服従させたという旨の意見を述べるにあたって念頭においた事実について述べます」とあるが、インタビューの時にはその具体的な事実は語られていませんよね。

○大石:インタビューではその事実一つ一つは語っていませんが、吉村人気というものの背景として語ったもの。

●ミゾガミ:記事で伝わるかどうか考えなかったのか。これは「事実適示」だと受け取られる恐れを考えられなかったのか?

○大石:マスコミをアメとムチで服従させたという事実が伝わるように語った。

 

(反対尋問②)14:11~

●マツクマ弁護士:乙1号証(2011年2月のABC放送ニュースゆうに対する橋下氏のツイート)について、橋下氏はなぜ怒っていたのか。90分も都構想の取材を受けたのに、カットされ、「説明不足」などと言われたからではないか?

○大石:取材されたことが放送されずに不満かもしれないが、それで記者に対して、「勉強不足」「あの記者は馬か」などと罵倒することは、行政職員、まして首長としてありえない対応です。

●マツクマ:乙第2号証(2012年9月の朝日新聞の阿久沢記者に対する橋下氏のツイート)について、4ページで、橋下氏は「僕は休日だ。ふざけんな出てこいとはどういうことですか」と批判している。休日にふざけんなという取材に問題があったと思わないのか?

○大石:従軍慰安婦についての橋下元知事の発言めぐる取材だったと思うが、休日に取材を申し込まれたからと言って、あのように攻撃することは首長としてありえない。

●マツクマ:橋下氏が何に怒っていたのか取材はしたか?

○大石:取材はしていない。

●マツクマ:乙第3号証(2012年5月8日記者囲み取材でのMBS斉加記者とのやり取り)の斉加記者とのやり取りの現場に大石さんはいたのか。何が問題だというのか。

○大石:現場にはいないが、YouTubeでも流されている。君が代斉唱について、「誰が命令の主体か答えろ」と記者に逆質問し、質問に答えず、25分以上にわたり、取材を拒否し、公衆の場で面罵することをやった。

●マツクマ:25分以上も、取材に答えたと言えるのではないか?

○大石:質問に答えてません。公務員、特に選挙で選ばれた首長は、メディアの質問に誠実に答えるべきだと教わってきたし、自分もそうしてきた。あり得ない対応だと思う。

●マツクマ:乙第28号証(大石陳述書)4ページで、NHKに「およそ30分遅刻で登場されました」と紹介され激怒したということについて、「言いがかり」と言われているが、事前に遅れることを伝えていた。乙第5号証の記事でも、「NHKのスタジオ収録には出演しない考えを示した」が、「取材を拒否する考えはない」と言っている。取材拒否はしていない。

○大石:記事のタイトルは「NHKもう行かない!橋下知事ブチ切れ」です(乙第6号証)。このように激高し、行かないというのは、取材拒否と同じ。

●マツクマ:甲1号証「橋下元知事は気に入らないマスコミをしばき、気に入らない記者は袋叩きにする、ということを丁寧にされていました。新聞社に対しても「あの記者どうにかせぇ」「あの記者やったら、おたくは外す」とあるが、「あの記者どうにかせえ」というカッコの発言はあったのか?

○大石:橋下氏がそのような言動をしていたというまとめ。

●マツクマ:ABC放送など4つほど事例をあげているが、他にもあるのか?

○大石:毎日のように。事例を出せと言われたら、例えば、京都大学の藤井教授に対して、京都大学に解雇しろと要求していた。

●マツクマ:藤井教授はメディアではない。「あの記者どうにかせえ」という発言はセリフとしてあったのか。

○大石:セリフとしては聞いていない。そのような言動をしていたということ。

 

(再主尋問)

○弘中:乙第5号証、乙第6号証について、原告側は、「NHKスタジオに行かない」は取材拒否ではないと主張するが、取材というのは出演も含むと考えるか?

○大石:取材というのは、出演も含む。橋下氏は多くの番組に出演している。出演拒否は脅しになる。

○中井弁護士:ABC放送、朝日、MBS、NHKへの対応は、代表例ですよね?

○大石:そのとおりです。

○西弁護士:乙第4号証の斉加記者への罵倒について読み上げ。知っていたか。

○大石:知っていた。

 

(裁判官から質問)

■裁判官:激撮スクープの番組は、最初から見ていたのか、それともかいつまんで見たのか。

○大石:最初から見ていた。その番組は自分も収録で登場する番組だったので、最初から見ていた。

■裁判官:MBSの「今朝の橋下さんコーナー」は見ていたのか。

○大石:それは見ていないが、有名なのでネットなどで知っていた。

 

(今後の予定)

■裁判官:今日で結審。1月31日14時~807号室で判決とする。

○弘中:本日の尋問の趣旨など書面を出したい。

■裁判官:12月末までに書面提出を。

2.記者会見(報告集会)

YouTube配信動画

【橋下裁判・記者会見LIVE配信】#大石あきこ橋下徹に訴えられたってよ 2023年10月27日(金) 大石あきこ(れいわ新選組・大阪5区)

大石あきこ:

お集まりいただきましてありがとうございます。

被告、大石あきこです。座って失礼いたします。

今から4時15分までを予定しまして、記者会見と合わせて報告集会を始めて行きたいと思います。たくさんの弁護団の方もお集まりいただきましてありがとうございます。どうぞよろしくお願いします。

 

まずは弁護団長の弘中弁護士の方から、本日の証人尋問の概要と言いますかご説明と、あとポイントをご説明いただいて、それから質疑とかご質問とか色々やりとりして行けたらなと思います。

 

元々は私が…今日の裁判ご覧になった方は2回目になるかもしれませんけれども、約2年前の2021年の12月に日刊ゲンダイに受けたインタビュー、この時は衆議院に私が当選したての、当選してから1ヶ月半ぐらい経った時期に日刊ゲンダイに、大阪維新府政の問題とか、なぜ今大阪維新府政の問題があるのか、その背景には橋下徹さんがメディアをアメとムチでコントロールしていたんだっていうようなそういう批判、岸田政権の批判とか、野党批判とかそういった様々な政治状況とか私の国会議員としての抱負を述べたインタビュー記事があって、その橋下さんについて述べた部分について橋下徹さんが名誉を毀損されたっていうことで私を訴えてきたっていうのがこの裁判です。

 

約2年という、1年8ヶ月ぐらい前に裁判が起こされて、裁判って1回があのこれ今地裁なんですけれど、非常に長いわけですよね。

こちらも準備書面っていう書面を4回出してる。

で、陳述書を出して、相手方もまあそうやりとりをされてて今日私の証人としての尋問を行うという日でした。

結審っていう、一旦なんか審査が終わるみたいなことがあるんですかね。

まあちょっと専門的にはまた弘中先生からと思いますけども、一旦結審、で、さっきまで時間がかかってたのは、和解をするのかどうかみたいなのの最終調整っていうのがありまして、まあそういうのがあの、挟んで今ここに居るわけです。

 

この裁判を通じて私が今日の証人尋問でもお伝えしましたけれども、やはりその、メディアの役割っていうのは非常に大きくて、私自体は元々大阪府庁の公務員でしたし、公務員、一公務員も含めてメディアに対して誠実に取材にお答えして行くものです。もう全然調べてへんやんって思う記者の方もいらっしゃるんです。実際には。だけれども、やっぱり、その大阪府政を監視し、視聴者の方に届けて、視聴者が自由にその政治的な意思決定とか判断を行っていくっていうための大きな機会がメディアですから、誠実に答えて行かないといけないっていうのが。一公務員としてもずっと実践していたし、組織としてもそういう対応してね、っていう風になってたわけなんです。

 

一方で橋下徹さんが今日も証言で色々申し上げましたけれども、それをぶち壊すような形で記者とかテレビ局とかメディアをバシバシに攻撃して行くと、自分の元々持ってた人気を使って、袋叩きにして行くっていうことが、政治自体を荒廃させるんだっていうことを私はそのインタビューでも申し上げたし、これからも言って行こうと思っているんです。

まあそういった、なんていうか社会的意義のあるというかこの裁判自体がなんで起こしてくんねんやと、その橋下さん自体が訴状を訴えてきた紙ですね、その橋下さんが訴えてきた紙でもうこのように言ってるんですよ。

『報道の自由を首長、知事とか市長は、守らなきゃいけないんだ』と。『不当な制限とか圧力を加えたらあかんのや』と。

あかん首長であるにも関わらず、そうじゃなかったかのように言う大石は名誉毀損であるって言って、日刊ゲンダイというメディアを訴えてきてるっていう、

橋下徹さんがもう自分の言ってることとやってることが区別がついていないということですよね。

そのようなことは今日も証人尋問の中で申し上げました。で、それ区別ついてないだけで終われないことですよね。

そうやって攻撃して多くのコストを割いて、人権のために日々闘っておられる弁護士さんこれだけ手間暇を割いていただくということを橋下さんが2度とやっちゃいけないわけで、そういったことも問う、社会的意義のある裁判、そのジャッジになればいいなとそうして行くべきだと思い、私なりにベストを今日尽くせたかと思います。

長くなりましたがそのような裁判で本日の件について弘中先生からご講評と言いますか概要教えていただけますでしょうか。

弘中惇一郎弁護士:

どうも弘中です。お疲れさまです。この裁判ってのは原告は橋下徹氏なんですよね。普通の裁判で原告側が誰も証人出さない、本人も出て来ないっていうのはあんまりないケースです。ですから極端に言えばこの裁判、大石さんが出なくてもそこで終結もできたぐらいの事件なんですよね。

そもそもこの事件って非常におかしな事件なんで、ちょっと思い付きなんだけれども、最近評判の良くない岸田さんがですね。

まあ『増税メガネ』って言われているそうですが、彼がもし『増税メガネと言われたから俺は侮辱だ』と言って裁判を起こしたらですね。国民どう思うと思います?

もうねちょっと気が狂ってないかと思うと思うんですよね。

 

つまりそのそういう主張だとか、あるいは首長というのはですね、いろんなことを批判され悪口言われて当たり前、それをですね悪口言ったから名誉毀損で訴訟起こすってのはですね、ちょっとですね、そもそも首長としての資格はなかったのかなという気がしますね。

 

でも大石さん本人尋問やって良かったと思うんですよ。やっぱり裁判所も熱心に聞いてましたし、紙でただ書くだけよりはやっぱりああやって生の声でどういうことを言いたかったのか、あるいはその橋下府政なり市政がですね。いかにメディアに対してひどいことをしたかということがはっきり分かったと思うんですよ。

で、裁判所は今日最後に和解できるかどうかの確認をしたいなんて言っていますが、もちろんこちらは和解は無理だと思ってますけども、これでそのもし維新に遠慮して大石さんに何らかのちょっとでも払わせる判決を書いたら裁判所も終わっちゃうと思うんですよね。だからそんなことは多分ないだろうと思ってます。

今日やったことは簡単に言うと、「橋下氏は、アメとムチでマスコミをDVして服従させた」と、まあこういうことを日刊ゲンダイの中で一言で言えば言ってるわけなんです。

で、まあ日刊ゲンダイという新聞ですから、分かりやすく砕けたそういう庶民的な言葉で言うのは当たり前なんです。

これ学術論文じゃないんでね。

それをね、アメとは何だムチとは何だ、なんで市政にDVが入ってくるんだってまあそういう屁理屈を言ってですね、起こしたのがこの裁判。

でも起こされた以上、アメとは何ですかムチとは何ですか、なんでDVと同じですかってことを、一応噛んで含めるように質疑の形でやってもらったのが、今日の尋問だったと思うんですよ。

 

それで今日聞いてて分かったと思うんですが、尋問ってやっぱ主尋問と同時に、向こうも反対尋問をするわけですが、

反対尋問をやってもらってむしろ良かったと思うんですよね。問題がはっきりしちゃったわけですよ。

例えばね、向こうが問題に出したのはNHKに対して遅刻したと怒られたから『俺は番組には出演しないと言ったけど取材拒否するとは言ってない』ってわけですよ。

でもNHKに対して番組出演しないって言ったらですね、それはNHKに対する威嚇に決まってるじゃないですか。

それをね、番組出演しないとは言ったけど取材拒否してないと言ったから威嚇してないっていうのがね、本気で通ると思ってるんですかね。

それからね、向こうの弁護士が言ってましたけどね。大石さんの挙げてるのはですね橋下氏がやったのは4つしか言ってないと。

4回悪いことしたのは確かに書いてあるけど5つ目は書いてないって言うんですよ。

普通ねえ、刑事事件でも2回3回起こしたらですね、常習って言われますよ。それで俺は4回しかしてないんだっていうことをね、公然と言うというこの神経がね、大したもんだと思いますけどね。

だからそういう意味で、反対尋問、主尋問、両方やって、いかにアメとムチで不当にマスコミをDVして服従させたかというのはよく分かったと思います。

ということで今日の本人質問はいろんな意味でとても良かったと思います。以上ございます。

 

 

大石あきこ:

 

ありがとうございます。えっと、願わくば弁護士さんお1人お1人簡単な感想とかコメントとか何かいただいて…願わくば、いいですか?ではお願いします。

中井雅人弁護士:

そんなお願いしていただいてありがとうございます。代理人の弁護士の中井と申します。

そうですね。もう出た、ご本人大石さんご本人と弘中弁護士から出た通りということだと思うんですけど、印象的だったことをですね、2つ申し上げます。1つはやっぱ反対尋問だと思うんです。ちょっと重複するとは思うんですけど攻撃的な発言っていうのを1個1個確認してくれたんですね。

 

大石あきこ:

反対尋問っていうのは橋下さん側の弁護士が私に聞くやつですよね?

 

中井雅人弁護士:

そうそう。だから今日多分ここにおられる方大体出席されてますよね?見ておられますよね?見てない方はちょっとすいませんけど、まあでもそのやりとりっていうのは結構なんて言うんですかね。大石さんようするにしゃべらしてくれたんですよね。

 

大石あきこ:

なんかいいの?みたいな。こんなに橋下さんの悪いことを私この反対尋問でやっちゃっていいの?ぐらいに思ったんですけど、そういう感じでしたか弁護士さん的にも。

 

中井雅人弁護士:

そうそう。こちらが30分しかなくてね。弘中弁護士も最終尋問に時間とって25分ぐらいで終わっていただいて、てやってたんで、それは組み立て上そうせざるを得なかったわけですけど、だからもう1回主尋問させてくれたようなね、感じになってたこれは1つだと思います。

で、もう1つはこれ本当に感想ですけどね。最後にこれさっきも廊下で言ってたんですけど、再反対尋問かな、こちらの再主尋問が終わった後に、もっぺん橋下さん側の弁護士さんが質問しそうになった時に結構間髪入れずに『結構です!』って裁判長がおっしゃったんですね。いやこれ私こん中で1番、期は浅い弁護士ですけど、私はちょっと初めて聞きました。

 

大石あきこ:

すごい食い気味に裁判長が『結構です!』って言ってて。

 

中井雅人弁護士:

ちょっと印象的でした。以上です。ありがとうございます。

西晃弁護士:

弁護士の西と申します。どうも皆さんお疲れさまです。

私はずっとね、大阪でもう35年弁護士やってまして、橋下知事が誕生したとき市長になったとき、いろんな闘いを僕なりにもやって来ましたけれども、

改めて今日の証言聞いてて、あの頃のっていうか今も続く維新のね、「アメとムチ」って一言で言うけれども、

マスコミを本当にこう震え上がらせてっていうかね、脅して丸め込んでそしてちょっと利益を与えて、そういういわゆるそのDV構造って言うんですか、自分の意のままにコントロールしようとして、マスコミを従わせた、服従させたと。

そういう構造っていうようなものがね、やっぱり改めて、ああこういうやり方やってきてんだなというのが実感された、思いました。

 

それと共にね。こういう言い方をしたらちょっともしかしたら不適切な言い方なのかもしれませんが、そんな大きな流れの中でいつも空気を読まずにね、本当に多くの男性記者、マスコミの方が、今日男性の方もいらっしゃいますごめんなさいね。なんて言うのかな。体制に流され空気を読み、橋下さんに対して言いたいことも言えない状況の中で、阿久沢さんとか斉加さんとか女性の記者がね、敢然とって言うか、ある意味空気読んでないわけですよ。もう本当にその時に自分の思ったことをそのまま言ってボロクソに言われてそれでも食いついて行って、あのやりとりができる、そんな人がやっぱり居た、居るんですよね。

僕はその方々のやっぱ勇気、行動力、そのこと考えながら私聞いてました。あの斉加さんのあの文字起こしのこと私最後にちょっと尋問したけど、あの人最後にどういう締めくくりの仕方してるかご存じですか?ボロクソに言われてサンドバックのように殴られて、もうねボロボロに橋下さんにされて、で、最後斉加さんが言った言葉が今日はこのくらいにしといてやると。そしたら橋下さんが吉本やないねんからと言う、この笑いはこれやっぱ大阪ですね。やっぱさすがにこの辺は。

ただ、そういうことがやっぱ言えるね、なんかこう魅力っていうのか魅力って言うかなすごさを感じながらね、ちょっと離れちゃって申し訳なかったですけども、そんなことも思いながらしかし、今日の主題はやっぱりマスメディアって大きいからね、力が大きいから。

本当にしっかりと事実を報道し、批判的観点に立って時の権力者を批判しておかないと本当に大変なことになるよっていうことを、大石さんは改めて今日の法廷で講演・講義してくれたと、そういう裁判じゃなかったかなっていう風に私思って聞いておりました。はい。以上です。

 

大石あきこ:

ちなみに今日はもちろんプレスリリースはしてまして、大手メディアにもお声掛けているんですけども。今んとこ見られてはいないようですね。まあ本当にもっとこういうこと扱っていただけたらなと思うんですけど、心あるジャーナリストの方々来ていただいてるのは本当に感謝しています。

大前治弁護士:

ご苦労さまです。弁護士の大前治でございます。

今日の法廷での大石さんの証言を前にね、私が役割分担で、弁護団の中で担当しましたのが、橋下さんの代理人弁護士役でどんな質問をね、今日の法廷で大石さんが受けるかというね、想定問答をやってね。昨日の夕方の会議でもですね私が橋下さん側の代理人弁護士役を演じまして。

 

大石あきこ:

だいぶ極悪な感じで。詰めて来る感じでやっていただいて。

 

大前治弁護士:

そうなんですよ。やった内容はね、『大石さんあなたね。“袋叩き”なんて言葉使ってるけれども“袋叩き”っていうのは集団リンチですよ。多数の人が1人の人をね、徹底的にやる。ところがこれ、原告橋下徹さん1人でやってることを“袋叩き”と言っていいんですか?』なんて言うわけですが。

 

大石あきこ:

「え~!」みたいなね!

 

大前治弁護士:

反対尋問、つまりね。敵側の証人に対する尋問っていうものはね。1つ本来の鉄則というものがありまして、本人が言いたいように好きなようにしゃべらせる機会を与えない。

こちらの意図のもとに、こういう風に答えざるを得ない状態、これね、誘導尋問でもいいんですよね。いわゆる反対尋問っていうのはね。で、『こういうことなんでしょ?こういう状況で答えたんでしょ?この時あなたはこれを知らなかったはずですよね。』とかね。

こういう風について行くということを本来は予想した方が良いんですけども、なかなかね、予想したほどの反対尋問ではなかったなという風には思いました。

そういった意味でも、そもそもこの裁判は、今日の法廷で橋下さん側の弁護士が何か効果的なね、大石さんに対する追及をすればそこで今日で裁判の勝負が決してしまい、不利な状況になる可能性が高かったという裁判ではそもそもなかったんだろうなという風に思います。

そういう意味では橋下さんが『ああこんな裁判起こさなかったら良かったな』と後悔する、今日の時点でも後悔してもらえたらいいんだけども、最後の最後、判決という結果でね、そういう風に思わして行きたいなという風に思っています。

 

今日最後にね、裁判官からも質問があったんですよね。

その内容が激撮スクープっていうMBSの番組、あなたは放送されたときに最初から最後まで全部観たんですか?と、それともかいつまんで観たんですかと、放送されたときにもう観たんですかと、いうことを聞いてました。

これはね、意外と重要なことなんです。

ここはね、重箱の隅をつつくような揚げ足取りとかそんなんじゃないんです。そいうことをしっかり確認して『はい。自分も出演した番組だから当然これも裁判の前に初めて観たとかじゃなくて、もう全部観ました。詳しく観ました。』と。それによってね、我々に対する勝訴の判決を裁判官が書きやすくなるという1つの材料にもなったわけなんですよね。

 

もちろん名誉毀損っていうのが仮に成立するような内容の発言であったとしてもですね、この内容が公益目的があり、公共性のある事実であって、そしてそれが真実であると信じるのが相当であるような事情があればですね。そういう状況そういう認識のもとで取材に答えたというのであれば、それはもう名誉毀損として不法行為は成立しないんだと。賠償責任は発生しないんだということになるんですよね。

当時分かっていてこういうことが頭の中にある状態でインタビューに答えました。それが記事になったんです、ということですから、

そういう意味でも真実であったという認識について相当性があったんだということで、大石さんを勝たせる1つの論理、材料がその質問によって整えられたということになります。

 

そういった点でももちろん我々は最後、最終の書類をしっかり書いて今日の法廷での証言の意味内容しっかり含めて最後の弁論、弁論と言いますか、書類提出をね、いたしますけれども、

ですから油断はしないし甘い見通しをね、立ててしまうということは良くないことでありますけれども、これまで裁判やってきたことにしっかりと自信を持って最後までがんばって行きたいと思っております。

今日は皆さんありがとうございました。

 

大石あきこ:

どうもありがとうございます。そうしましたら、マスコミの、メディア、ジャーナリストの方、フリージャーナリストの方も含めてのご質問をぜひ先にお受けしたいと思いますがいかがでしょうか。挙手していただけたら。では、お願いします。一応どなたか言っていただいてご質問を始めてください。

篁さん:

フリーランスの篁です。今日裁判傍聴させていただいて反対尋問すべて拝見させていただきました。

橋下さん側の反対尋問を受けているときに、これ私の印象なんですけども、大石は証拠不十分なまま橋下の名誉毀損をしたっていう風に誘導しようとした印象を受けたんですね。でもそのような質問を受けていた時に大石さんどのような気持ちであの場、席に座っていたのか。お聞かせいただければと思います。

 

※なお、篁さんはこの取材をもとに記事を配信されています。ありがとうございました。

【橋下徹 VS大石あきこ】橋下が不利な状況に? 被告人質問で大石が尋問された内容とは?

 

 

大石あきこ:

そうですね。そんなような雰囲気は感じましたよね。根拠が足らないんじゃないかみたいなことを言わせようとしているのかと。

で、さっきも弘中先生が4つだけだったかな?挙げてる。まあ、証拠はいっぱい提出してるんですけど、そういう風に言うのは感じたんで、あのなんて言うか、『もう証拠あるやん』って私は思ってはいましたけれども、ただまあそういう印象を付けられようとしているので、そうじゃないよって根拠持って言ってるんだよっていうことは具体的に自分なりに答えたつもりですけれども、どういう気持ちだった…どう言ったら良いんでしょうね。そういう印象を付けられないように自分の記憶を駆使して答えたつもりです。

尋問のあそこに座るときに、証言台って言うんですかね、座るときに、一切自分は手持ち資料とか、弁護士さんが尋問したこともメモも取ってはいけない状態なんで、すべて空で言うので、やっぱりそこから自分の記憶をちゃんとひねり出して行くと、そこで誤ったこと、もし何かその日時とかがまた誤ったら、誤ったことを言う人ですねとか言われかねないので非常にそこは正確に思い出せないといけないので神経を集中はしましたね。難しかったです。

 

篁さん:

非常に印象的だったのが橋下さん側が最後の方に、橋下さんが『なんかそういう記者に対して恫喝してるようななんかをしてるのをあなたはご覧になったことありますか』みたいな質問があったんですけども。通常そういうことってやらないじゃないですか。

 

大石あきこ:

えっと、そういうことと言うのは、目の前で見ないと。

 

篁さん:

目の前でやるわけないじゃないですか。常識的に考えて。そういったこと質問して来るのに対して、聞いてる方は、聞いてる私個人の感想としてはこの人何を言ってるんだろうっていう印象。

 

大石あきこ:

橋下さん側の弁護士のことですよね?

 

篁さん:

はい。橋下さん側の弁護士。

通常そういったまあ揚げ足取りのような質問をして来た、なんかまあ焦ってるのかなっていうのもあったんですけども、これ弁護士の先生とかも含めて橋下さん側の質問の印象と言うか、予想通りだったのか、それとも予想より悪かったのかとか率直なご意見うかがえればと思います。

 

大石あきこ:

じゃあ私が私なりの感想を言って、弁護士さんもぜひ、コメントいただけたらなと思います。

そうですね、橋下さん側の弁護士さんの尋問は基本的には揚げ足取りなものだろうと思いますし、2人いらっしゃいましたよね?

1人目の弁護士さんが居て、で、2人目の弁護士さんで。1人目の方は何を聞きたい何を言わせたいのかなっていうのはなんとなく分かるわけです。そのときの記述の日本語の読み方ですね。私がムチでしばいた、その代わりに飴を与えたと言っているものは、その日本語はその特定の1人の人にムチとアメっていう記載じゃないのかみたいなことを念入りに聞かれてて、それもあるし、

しかしそれ以外の、この人にアメこの人にムチっていうパターンもあるし様々ですみたいなことを答えたりしてて、

でも2人目の方はなんか揚げ足を取ろうとしているんですけど、なんかオウンゴールになっていないかと。橋下さん側の。

『橋下さんはね』って『こんなツイートなぜしたと思います?』とか私に聞いてこられたりして、

まあ「知らんがな」っては思いますけれど、お前のボスに聞いて来いって私は思いますけど、私がどう評価したかですよね。ていうのを言わせていただける、

逆に私が橋下さんのツイートを見てどう思ったかを好きに開陳できるステージにさせていただいたなっていうのはいくつかありますよね。

『朝日新聞の記者を攻撃したっていうのはあなたはそれはなぜだと思うんですか?』その弁護士さん、2人目の弁護士さんは『橋下さんにも事情があるだろう!』ってことを言いたかったと思うんですよ。

『相手の記者が土日に取材をさせろとか失礼だったからだろ?』とか、でもその失礼なこと言ってた『ふざけるな』言うたんは橋下さんなんですよね実は。

『ふざけるなとか言ってきたから記者が橋下さん怒ったんとは思わないんですかあなたは?』みたいな感じで。

いや無理やろう!っていう。ていうものがあって、

で、かつ私が結構、私の考えはこうですっていうのも結構相手方も念入りに聞いてくださったんで、結果として会場から、会場っていうか傍聴から笑いが起きて『笑いはあかん』みたいに裁判長が言うぐらいですね。

まあなんか私が自分の意見をちゃんと述べる機会になったのかなあとは思います。弁護士さんもそういった、評価っていうんですかね。ありましたら教えてください。

 

弘中惇一郎弁護士:

難しい質問。その、反対尋問がダメだったなんて言うのは簡単なんだけども、まあ向こうの立場になれば聞くべきポイントってのはあったんだろうと思うし、

例えばその阿久沢さんから直接事情を聞いたんですかとか、あるいはNHKから直接取材したんですかと言われるともそれはしてないわけですよね。だからそれはそうですかって、まあレベルは別にしたって向こうは少しは点数を稼いだという尋問はいくつかあったような気がしますよね。

まあただ元々向こうはやってはいけない訴訟だと思うんですよ。

だからさっきもちょっと言ったけども『番組出演はしないと言ったけども取材は拒否してない』なんてことを言ったって、それは全体としてどういうことになるんですかねって話になるわけだけども、そういう種類の質問が多かったような気がしますよね。

それから、大きく点数を稼がれたと思わないけども向こうの弁護士は弁護士なりに、それなりのなんて言いますか方針を持ってちゃんと後からボスに怒られないように一生懸命やったんじゃないかと思いますけどね。はい。

西弁護士:

そうだと思います。反対尋問という時に僕らが一番やっぱりその意を尽くすというか気をつけるのは、

やはりその尋問対象者にあまり意見とか枝梢に亘るような部分を言わせないということは気をつけますよね。

だから「はい」「いいえ」とか、事実の確認とか、基本的には反対尋問で一番いいのは「はい」「いいえ」で終わらせるような尋問というのかな。

こちらが反対尋問で質問して、「はい」と言わせるような持っていき方というのがいいと言われますけれども、その点ではなかなか今日は一部ポイントを稼げる点はあったかもしれないけども、大石さんの方がある程度自分の意見を開陳するというか、述べる部分が多かった。

これはね、私もずっといろんな事件をやっているけれど、大石さんの切り返し能力というのかな。現職の国会議員だし、有能な政治家ですから、当然と言っちゃ当然かもしれませんが、

やはり証人としてみたときに、相手の言っていることの意図を瞬時に捉えて、そしてそれに対してその場で切り返して、一定、裁判官も傍聴している人にもしっかり伝わるような形で切り返すと。

これは簡単なようでなかなかできるこっちゃないんですが、その辺は、あまりヨイショしてもしゃあないのですが、その辺はさすが大石あきこさんやな、と思いましたよ。正直に言うてね。

 

大石あきこ:えっとどうでしょう。ほかにご質問。じゃあジャーナリスト(の方)。お願いします。

 

松本さん:フリーランスの記者で松本と申します。

私も橋下及び維新と在阪メディアとの関係は問題意識をもっていまして、本にも書いたことがあるのですが。

大石さんに先ず二つ伺いたいのですが、

一つは今日の尋問の中にもでていましたけれど、あらためてこの訴訟を通じて社会に何を伝えたい、訴えたいか。

批判的検証、批判的質問をしなきゃいけないのが、今できなくなっているんじゃないかという話もさ中にありましたけれども、改めてこの裁判の意義みたいなことを今日の尋問を終えて改めて伺いたいのが一つと、

(今現在、)橋下徹氏以降も、今現在、吉村知事もそうですし、松井市長とMBSのと、石川テレビの問題であるとか、安芸高田市長と中国新聞の問題であるとかですね、

首長が特定のメディアを名指しして取材を拒否したり、攻撃したりするような、それに世間が喝采を送るような空気というのが、非常に今あります。

で、今、争われているのは橋下さん当時の話ですけれど、その時と比べて今現在、政治とメディアの関係でありますとか、それからとりわけ地方の首長とその地元のメディアとかの関係をどのように視ておられるか。良くなったか、悪くなったか。今、吉村さん、今、万博の話なんか色々と厳しいやりとりもありますけれども、今現在どのように視ておられるかというのをそこに橋下さんの影響が何かあったかどうかということを伺えればと思います。

 

大石あきこ:ありがとうございます。ちなみに、松本さんの論評はかねてから拝見して、非常に参考にしてますし、それを参考にして私が言論している面もありますし、証拠としても提出しております。そのぐらい本当に研究されている方で、私は敬意を表したいと思います。

二つご質問をいただきまして、社会的意義を改めてというところで、起こしてこられたのは橋下徹さんなので、私はもちろん、こんな訴訟を起こしてくる事自体が問題になると思っています。

橋下さん自体が訴状で、何で訴えているかをその文書の中で、このように矛盾的な事を述べているんですね。「報道っていうのは、自由であるべきで、それを時の首長が、知事とか市長とかがですね、不当に制限をしたり、圧力を加えるっていうことは、あってはならないんだと。それは国民の知る権利を侵害するものであるし、その自由な政治的意思決定のを侵害するものだ」って、橋下さんの方が、まさかの訴状でお書きになっているんですよね。

じゃあなぜ、元知事、市長であった人がその当時の事を日刊ゲンダイが私の言葉を借りて記事にしているっていうその日刊ゲンダイを訴えるんだっていうその非常に矛盾っていうか、

よく訴状でこんなことを書いて、日刊ゲンダイと私を訴えてくるなって。私はその訴状をみた時に本当に意味がわからないって思ったんですよ。

 

でも、やはりこの象徴的な、橋下さんがこうやって、自分の気に入らないものを潰していくんじゃないかっていうことを、逆に、逆テコっていうんですかね、

そのようにして世の中の方にこのことを多くの方に知っていただきたいなっていう、だから、そういう訴訟にしていかなきゃいけなっていう風に、私はこの裁判でもそのように使命を感じているんです。

 

マスコミにはまだそんなに十分には取り上げてもらっていませんけれど、(もっと)マスコミの事を問題にしている裁判なんで、マスコミ自身が、報道するかどうかは、別に自由ですけれどもぜひこれをキャッチアップしていただいて、自分たちのあり方っていうのを考えていただきたい。私はこの裁判ではそのように感じております。今の息がつまりそうなメディアの忖度とかの状況ですね。そのように思っているんです。

 

これは2番目のご質問にも関わることですけれども、今、橋下さんから引き継がれて維新府政が、いろいろ市長と知事が入れ替わったりしているんですけど、吉村知事、松井市長が横山市長になったりしているんですけど、

引き継がれて、その維新府政市政が引き継がれて、IRとかカジノとか万博っていうのが非常に大きな問題になっていると。で、今日の証言でものべましたけども、今、メディアが本当に批判しないんです。その事を。

 

カジノで、カジノ事業者が奈良美智さんっていう有名なアーティストの方がつくったオブジェを、その方が「これは使ったらあかんよ。このオブジェを掲載したらあかんよ」って回答していたのに、カジノの事業者が無断で、応募ですね。カジノ事業者に手を挙げまして、応募のプレゼンテーションの資料の中に奈良さんのやつを盗用したわけですよ。

訊いて、ダメと言われていたのに使って。何年か前にも通報があって、その時に大阪府がそれは大丈夫なんかと訊いたけれど、「許可をもらっているから大丈夫」やってカジノ事業者が言ったと。

それって、明確に資格が違反なんですよ。応募資格に抵触していて、カジノが認定されている状態で、その不法行為が見つかって、不法行為を大阪府も認めてるわけですけど、そうするとカジノ事業者もそれをやり直さないと、認定を取り消ししないといけませんし、そのカジノ計画をですね。そういう状況の中でも大阪府政市政は突っ走っちゃっているんですよ。

 

これだけではなくて、何百通ものメールが「無い。無い」と、公開請求した時に「無い。無い」と言ってたのに、後から年度を越して、選挙が終わってから出してくるとか、「有りました」っていう。

そういう、自分が公務員やってた時もひどかったけど、本当にここまで腐敗するかと。

そしてこのような状況にほとんどメディアが批判していないんです。

ただ、頑張っておられる記者もおられるでしょうし、私がこのことを知る時点で報道されているわけですから、報道がゼロなわけではない。

だから、ご質問は私が橋下さんを見ていた時代、今においてメディアが悪くなったのか、良くなったのかっていうことをお訊きになっていて、私は悪くなっているとは(思う)。より閉塞感っていうんですかね、1社もその次の日の記者会見で批判的な質問をしないなんていうのは、本当、「もう腐っているだろう」と思います。

 

松本さん:1社も質問しないのは、どの件ですか。

 

大石あきこ:失礼いたしました。8月にあきらかになった、奈良美智さんの著作権違反をカジノ事業者がやっていた。で、その事業者をカジノの事業者として、進めているという件ですね。じゃあ、そこに知事や市長の責任はないのかという批判的な質問は翌日の記者会見で知事にも市長にも1問もなかったんです。そのような事ですよね。そういう悪くなっているという面もあると思います。

一方で、メディアが世論をコントロールするということは、ずっと前から行われてることだとは思います。ある政治家の不正というのを追求した時に、その記者の不正とかを出したりして、元々根本になっていた事件を潰していくとか、そういう事は大手メディアというのはやる存在だと思います。橋下さんが登場する背景も大阪市で、現業組合を潰したいという意図があったんだと思いますけれども。公務員バッシングというのは、橋下さんの(知事・市長)誕生前から始まっているんです。

大阪市を巡っては、「スーツを支給されている」ですとか、そういう事ですよね。公務員をバッシングしていこうという流れの中で、最高峰の寵児として登場したのが橋下徹さんなんで、橋下さんがゼロから作り上げたわけではありません。

橋下さんはそれに最大限乗っかって、自分のパワーを高めるためにそれを最大限使うっていうことに長けていて、それが維新にも引き継がれているんだと思うんですね。

一方で、こんな状況の中でも、さっき弁護士さんがおっしゃいましたけれど、女性記者が多かったのかも知れない、そうじゃないかも知れないけど、果敢に質問に挑む記者もいるんです。

その方がたまたまゼロ人だった記者会見では、批判するのがゼロになった日があるのかも知れませんよね。すごく数が減ってるかもしれませんが、どこの会社にもどこの役所にも、そういう勇気をも持って、「今の組織はおかしいんだ」、「今の政治はおかしいんだ」っていう声をあげる方はいらっしゃるんで、それはフリージャーナリストの方もそうだと思います。だから私は何か展望を失っているわけではなくて、一緒に変えていこうっていうことだし、そういうことをやってこられた記者へのリスペクトとして、こういうことをひつこく、ひつこく言っているという面もあります。長くなりましたが。

 

松本さん:あと弁護団の弘中先生かどなたかにお訊きしたいのですが、大石さんのご主張は理解できるのですが、とはいえ、例えば、その新聞記事になっていた、あの記者をはずせとか、いろいろ鍵中(かぎなか)で引用されている、そういうのを逐語的に発言を詰められていくと反対尋問で曖昧というか、見ていて厳しいかなと思うところもありました。

それからニュースユーでありますとか、MBSなり、朝日新聞の女性記者とのやりとりとかの背景についても、ちょっと曖昧なご記憶で話されているかなと思うところもあったんです。

なので、さっき弘中先生が当事者には当事者の記者とかあるいは報道機関には直接確認をしていないとおっしゃったんですけれども、あくまでも外にでてきた見える報道なり、ツイッター、論評なりツイッターの投稿を見て、これは論評の範囲内であるというご主張でまず、良いわけですよね。確認なんですけど。

 

弘中弁護士:本件は橋下さんの言動を問題にしているわけですから、橋下さんがどう言ったかってことは、ご自分のツイッターで言っているわけですからね。だからツイッターの相手方に取材しないと、意味が分からないとかそういうことは、実際上、本件ではないと思うんですよ。

だから向こうの弁護士さんとしてもほかに聞きようがないから、その点も聞き出して聞くのは当然だと思うけれども、こちらがあまりダメージを受けた問題とは思っていないですね

 

後ろの方が何度も手を挙げておられるのが気になっちゃうんで。

参加者A:

私は今日の裁判を傍聴していてあんまり楽観視はしていません。

大石さんがアンサーした時にみんながくすくすと、中ほどの状況の時にありましたね。かなり大きな声で傍聴席から同意の相づちがありましたよね。その時、裁判官が止めましたよね。聞こえないと。それが一つの現象。

それと和解云々。本来こういうスラップ訴訟をきちっと理解しておればわかること。こちら側、被告側に和解の余地があるはずがないですよね。きちっと正確に理解しておれば。

だからあの裁判官は、我々の味方ではないと思っておいた方がよいという印象をもちましたね。終りの方に和解云々と言ったでしょ。恥ずかしいですよ。その時に弁護団のみなさんが「それはあり得ません」と言ってしまった方が、私はよかったと思うけど、それを言い出すと全部パフォーマンスにになるんですよ。日本の裁判は書面主義ですからね。

だから、今日、大石さんが点数を稼いだか、稼いでないかというと、論法でいえば、可もなく不可もなく、だから一番最初にフリーランスの方がおっしゃったように、「証言されてどういう印象をもたれましたか」と。これが核心ですよ。

自分が言いたいことを言えたし、きちっと本心を伝え、「裁判官に理解させた。これで理解できない裁判官はスラップ訴訟そのものを理解していない」というぐらいの気持ちになれたというのであれば、私はかなり。それでも証拠をつきつけても、裁判官はある証拠、無い証拠ABC、取捨選択するのは勝手ですから。要するに裁判にかけられた、被告になった状態で、橋下の方は半分勝っておるわけです。今、聞きたいという意味で言えば、これ勝てる見込みおありですかと、聞きたい。

今日のあれ(裁判)を見る限り、1月31日のあれ(結審)は予断を許さない。私は素人でわからないんですが、聞きたいのですが、橋下を呼び出すことはできなかったんですか。

 

弘中弁護士:こちらの方で、橋下さんを呼ぶというのは、選択肢として無いわけはないですけど、呼び出して何を訊くという話ですよね。

パフォーマンスというか政治かショーとしてはあるんだろうけども、橋下さんにこちらが何か質問をしないとこちらの方で不利になるとか立証が残るという話ではないので、そういう一種の奇策は今回取らなかったということですね。

それからおっしゃるとおり、裁判所に対して甘い幻想だけ持つのはいけないという事には、心を十分に引き締めてやっていきたいと思うんですが、ただ、裁判官はいろんな事を言ったわけですよね。和解ができるかどうか、確認をしたいと言いましたね。念のためという。

だから、そこまで裁判所も無理だろうなと前提にしていたら、裁判官の合議体が変っているからね。新しい合議体で一回ちゃんと話を聞いてみる、確認しておきたいという趣旨に理解したので、それを断るということまでは必要ないだろうということで。そういう席に出たからといって、こっちは別に譲歩する必要はあると思っていませんから、裁判所がそうおっしゃるのなら、裁判所の顔を立てましょうという話だと思いますけどね。おっしゃる通り、油断はしないように、今の言葉も胸に入れてがんばりたいと思ってます。

後ろの方、どうぞ。

 

参加者B:

私、平野区のBと申します。大石さんとは何回もお会いしているんですけども、ご挨拶をしていないので、この場を借りまして、名前と顔を覚えていただきたいと思いまして。

質問なんですけども、この問題ですけども、民主主義っていうのが、知る権利ともう一つは言論の自由、これ保障されているからこそ、民主主義は成り立つと思うんですけども、

これに対して報道管制を、報道に圧力をかけて知る権利を奪ったり、また他の裁判では、批判している者に対してさらに裁判をして市民の言動を封じるというような風潮がだんだんと現れてきていますけれど、弁護士さんも一生懸命頑張っておられると思うんです。

やっぱり、重箱の隅を突っつくような議論になって、なかなか前に進んでいってないというのが、現状ではないかと思います。それでわれわれ市民が防衛手段として何かお手伝いできることがあれば、ご意見をお聞かせいただきたいと思います。弁護士さんは答えにくいと思いますので、大石あきこさんにこのようにしてほしいことがあったら教えていただきたいと思います。

 

大石あきこ:答えてみて、補足があれば、弁護士の方にもと思うんですが。スラップ裁判っていう言葉があって、

強い方の人が、何というか「しばくような形」で弱い方の立場の人を訴えるような裁判という概念だと思うんですけども、海外でもそういうことが問題になって、「そういう概念、現象というのがあるよ」でも周知されているんだと思うんです。

橋下さんのこの裁判も、私は国会議員ではありますので、一般的に弱者ではないと思いますが、新人なりたての弱小政党の議員に対して、橋下さんというのは、元知事、元市長でその前からもその以降もすごく毎日テレビに出て、維新の創始者として、非常に政治的影響の高い方がいとも簡単に訴えてくるというのは、そういった言論を委縮させると。

そういった主流の権力機構に関わる方への批判に対して意識的に働くような裁判だと。だから不当な裁判と思っています。そういったスラップ的な裁判自体を私は規制されていくべきだと思うんですね。弁護士の方でそういうことをノートに書き留めておられる方もいらっしゃるんですよ。

だから、元々公人だった人とか、公人だったことに関する利害に関しては、私のように訴えられた人が自分は名誉をしていないっていう立証責任を負うんですけども、

公人の批評に関しては、そっち側が、例えば今回で言ったら橋下さん側が立証責任を負うというような制度に変われば、一定、抑止されるんじゃないかというのを読んだことがあるので、いいアイデアじゃないかなという風には思いますし、または法案で作っていくということも時間が空けばやりたいなあと思うんですけれど。

どうしても今の政治自体が問題があって、国民の経済的な窮状を救っていくということに私は優先的に発言したり、大阪の問題を「万博、カジノをやるな」みたいなことをしょっちゅうやっているわけなんですよ。

なので課題を残しているということですね。重箱を突っつくような(という事に)答えがあるとするなら、立証責任を訴えられた側が負わされるっていうのが、公益性の高いというか、「今の社会がおかしいんだ」という人に対して、特に権力者に向けられているものに対して、その人が好き放題に訴えられる(=訴えることができる)というのはおかしいと思っています。

何か補足をして下さる方があればお願いします。

 

弘中弁護士:やっていただくとありがたいなと思うのは、橋下さんがここでどういう風にマスコミに対して振るまっているかということは、必ずしも記録として残っていないわけですよね。

だから、もしそういうのが、メモしたとか、こういうのがあったというような事実があれば、そういうことを教えていただけると非常にありがたいと思っています。以上です。

 

大石あきこ:元々予定していた4時15分にぴったりだと思いますので、これで終わってもよろしいでしょうか。

ありがとうございます。

引き続き、情報発信しながらこの裁判、先ほどおっしゃった1月31日に判決の予定ですので、皆さん引き続きご注目いただきまして、この裁判の意義を広げていただきたいと思います。

 

判決が1月31日の水曜日の2時から大阪地裁の807法廷になりますので、傍聴に来られる方、ぜひ結集をお願いします。

 

(終わり)

ぜひ、SNSでご家族や友人にご紹介ください!

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