2023年10月2日(月)に、大石あきこ事務所の地元である大阪市淀川区で、「第5回淀川河川敷十三エリア魅力向上協議会」が開催されるそうです。
この協議会は、淀川区、国土交通省と、地域組織の代表が集まって、今回は、9月13日に事業者が発表された「淀川河川敷十三エリアにおける整備・運営事業」について、「地域の合意」を得る場として設定されています。
本件は、万博の盛り上げのために、堤防の上に集客施設(建物)を作る規制緩和の事業。その堤防は、阪神大震災で崩れ、住民側に被害を出した地点です。
以下、赤い文字のツッコミのところだけ読んでも雰囲気はわかると思うので読んでください。
(撮影:2023年6月10日)堤防裏のり面を盛土し、天端を拡張した工事後。この天端に建物を建てる計画。
この堤防は、阪神大震災の時には堤防が崩れ、近隣にも被害が出たところだそうですが、耐震工事も行われていません。堤防の上に建物を建てることは、災害時に危険を増やすことであり、住民からも不安の声があがっています。しかし、事業主体の淀川区も、河川管理者も、求められている安全性について資料の公開すらできてません。
なぜ住民の不安に説明できる材料も示さず、強行するのでしょうか。丁寧な説明が優先ではないでしょうか。この状態で「地域の合意」が得られたとは言えません。淀川区が住民説明会を行うべきでしょう。
大石あきこは、国の姿勢も問うていきたいと考えています。
まずは、この間の経過を公開します。
(大阪市発表)第5回淀川河川敷十三エリア魅力向上協議会を開催します
(大阪市発表)淀川河川敷十三エリアにおける整備・運営事業予定者が決定しました(2023年9月13日)
<淀川河川敷十三エリアにおける整備・運営事業の概要>
淀川河川敷十三エリアにおける整備・運営事業の公募(2023年5月17日~8月25日)
・「本事業は、本件エリア内に位置する堤防裏のり面、多目的空間及び親水空間について、協議会における地域の合意を経て、本市からの要望を受けた河川管理者が河川敷地占用許可準則第22の規定に基づく「都市・地域再生等利用区域」を指定したうえで、本市が整備・運営を行うものです。」
つまり、大阪市が事業の主体であり、住民への説明責任があります。
・公募の審査基準では、「堤防裏のり面では、地域住民や観光客が利用できる交流施設や活動、休憩、情報交換の場を創出しているか。」とあり、堤防裏のり面に施設を作ることが求められている。
(標準断面図)この右側(道路側)の裏のり面を盛土し、7メートルの堤防天端を拡張し建物が建てられるようにしている
<地域住民からの不安の声>
・この計画に対し、地域の住民から計画への不安の声が出されていた(大阪市・市民の声の公開ページより)
①十三船着場の関連施設の耐震性考慮のお願い(2022年12月7日)
・淀川区で計画されている施設の設置場所は、阪神大震災で堤防が最も大きく崩れた部分です。
・阪神大震災で、大阪市淀川区十三東1丁目は淀川堤防が崩れ、民家に大きな被害を与えました。今の堤防が、地盤の液状化によって、民家側に崩れ、間にある道路・グリーンベルトを移動させて民家に押し当て、民家に400ミリメートルも入り込ませました。家を壊し、水道・ガス管を壊し避難地域にしました。
・堤防の耐震化工事を平成12年から13年に行ってもらいました。しかし、堤防が最も大きく崩れた部分は、耐震化工事の施工範囲から外れてしまいました。所管省庁と再協議し、予算申請をしたとの連絡を受けましたが、予算がつかなかったようで、施工されませんでした。
・液状化で道路などが民家に押し寄せることに根本的な問題がありこれを防止する対策が必要です。堤防上に船着場の施設が造られると、その荷重でその被害をさらに大きくなる。
②十三船着場の関連施設の耐震性考慮のお願い(2023年1月30日)
・住民としてはこの工事を認めるわけにはいきません。堤防の上に軽量盛土法で造成された用地に淀川区役所が建物を建てるのであれば、堤防下の市道か公園部に矢板を施工し、耐震化することを要求します。
<事業に至る経過まとめ>
・2021年 1月ごろ 船着き場の工事はじまる(国交省が防災用の緊急用船着場として整備、万博時には夢洲への航行も検討とされた)
・2021年 3月31日 淀川河川敷十三エリア魅力向上協議会設置・第1回協議会
・2021年 8月 淀川水系河川整備計画「淀川河口から淀川本川と宇治川の伏見までが航行可能となるよう検討」と舟運復活を掲げた
・2021年 9月14日 第2回協議会(市場調査の実施)
・2021年10月~ 淀川河川敷十三エリアの魅力向上に向けたマーケットサウンディング(市場調査)
・2022年 3月28日 第3回協議会(市場調査の結果、かわまちづくり計画)
*「にぎわいの創出のために、「水都大阪らしい淀川を活用した舟運・レジャー施設」の導入」
*年間5万人以上の利用を目標とする
*この段階まで、裏のり面の盛土は「耐震矢板」が入っている部分となっていた。淀川河川事務所は、「盛土について阪急電車十三駅からの動線を考えると、階段を登り切った場所にカフェ等がないと地域全体の盛り上がりに欠けるため、軽量盛土を活用するなどし、耐震矢板がない箇所でも盛土できないか技術的な検討を並行して進めたい。実現可能であれば、階段を登り切った場所に盛土する計画に見直す」と発言。盛り上がりのために、安全を後回しにした。
(第3回協議会資料より)耐震矢板工事のあるエリアでの盛土を予定していた
(第3回協議会議事要旨より)赤線は大石が引いた
ウォイウォイ!「盛り上がりにかけるため」「耐震矢板がない箇所でも盛土できないか」はヤバないか??
ノリで進めてるがな!
・2022年 8月 9日 「淀川河川敷十三エリアかわまちづくり計画」が令和4年8月9日(火曜日)に国の支援制度に登録。【国土交通省】
・2022年11月 裏のり面の盛土工事始まる
*裏のり面の盛土は、西側の80m部分(「耐震矢板」のない部分に軽量盛土)を先行実施
・2023年5月17日 淀川河川敷十三エリアにおける整備・運営事業の公募開始
・2023年8月25日 公募〆切(1社のみ)
・2023年9月 4日 国土交通大臣視察(公明党の国重衆議院議員も同行。)
(公明新聞より)斉藤国交相は、「大事な事業だ。後押ししていきたい」と述べた。地元の方によると、視察のためにテントが設置され、何十人もの職員や警備がついて物々しい様子だったそうです。
公明も「盛り上がりにかけるため」「耐震矢板がない箇所でも盛土」派か?
国重議員、地元やけど、住民の安全無視して突っ走るの?
・2023年9月 4日 選定会議で事業者決定(RETOWN・類設計室・OneOsakaリバークルーズ事業共同体)
・2023年10月2日 第5回淀川河川敷十三エリア魅力向上協議会(合意を図る予定)←いまココ!
<大石事務所の取り組み>
・2023年6月15日大石あきこ事務所が淀川区に説明を求めた(内容は、市民の声ページに公表)
https://www.city.osaka.lg.jp/seisakukikakushitsu/page/0000605602.html
※地域住民からの不安の声に、淀川区が回答をしていないので、事業主体として説明を求めました。
・2023年7月21日 再質問FAXを淀川区に送付する
2023年7月14日付けの回答を拝見しました。問い合わせした内容について、残念ながら回答を頂けていません。堤防盛土部に工作物を設置することについては、事業の公募をしているのは淀川区であり、住民の不安に対して、説明する責任があります。また、最終的に河川管理者が許可するものですが、住民の生命、身体及び財産を守る責任は淀川区にあり、責任をもって事実確認を改めてお願いします。 下記①~⑤について、再度質問しますので、ご回答お願いします。
①十三東1丁目14番地あたりの堤防については、平成7年の阪神大震災で、地盤の液状化によって、民家側に崩れ、間にある道路・グリーンベルトを移動させて民家に押し当て、民家に400ミリメートルも入り込ませるなど多大な被害が生じた場所であることは事実か。
②堤防の耐震化工事は平成12年から13年に行われたが、堤防が最も大きく崩れた部分は、耐震化工事の施工範囲から外れてしまったのは事実か。
③当該部分は、矢板工事が未施工であることを確認されているが、今後の地震によって、同じように堤防が崩れるリスクはないのか。また工作物の設置で被害が大きくなる危険性はないのか。
④上記の①~③の内容は、2023年1月18日回答の市民の声において、淀川河川事務所に伝達すると回答されているところ、2023年6月15日に大石事務所から「これらの事実や懸念は重大であり、淀川区として事実確認すべきである」と申し入れし、その際に担当者からは「事実確認する」と回答があった内容である。しかしながら今回の淀川区の回答では何も触れられていない。事実確認していないのか。
⑤「堤防裏のり面の盛土部については、荷重10KN/㎡以内のハード事業施設であれば設置可能」とあるが、なぜそう言えるのか。「施工している盛土の工法や断面図を見せてほしい。どう安全なのか、盛土の材料は発泡スチロールなのか、杭を打つならどの深さまで打てるのか」について、工法について「人工軽量盛土材を使用しています」との回答があったとのことですが、断面図の情報提供、くい打ちができるかについての回答はないのか。 |
・2023年8月10日 淀川区から回答送付される
①~④についてですが、事業予定者の募集要項の作成にあたり、当区から国土交通省近畿地方整備局淀川河川事務所(以下、淀川河川事務所)あてに事実確認を行い、お申出のありました十三東1丁目14番地前の堤防については矢板工事が未施工であることを確認しております。また、前回お寄せいただいたご意見もあわせて、お申し出のあった内容はすべて淀川河川事務所に伝達しております。
⑤についてですが、現在、当区ホームページにて公表しております「大阪市淀川区淀川河川敷十三エリア整備・運営事業者募集要項」(以下、募集要項)の別紙4に堤防裏のり面上の盛土部分の「平面図」及び「標準断面図」を掲載しております。また、募集要項上に、堤防の定規断面を侵すような掘削や工事の施工(アンカー等の設置も含む)はできないことを記載しております。
最後に、矢板工事及び盛土工事に関する内容については、治水上及び河川利用上の安全・安心に係る河川管理施設の整備という、淀川河川事務所の所管業務に関連する内容でございます。ご不明の点がございましたら、淀川河川事務所にお問い合わせください。 |
なんやこの郵送回答は↑ 質問にまったく答えてない。不誠実だな。
だったら電話や↓
・2023年8月17日 大石から、大阪市淀川区役所(政策企画課)に電話
大石「7/21の再質問①~③に答えていない。阪神大震災のときに堤防が崩れたという事実(質問①関係)。それへの補修工事が施行範囲から外されたゾーンがあるという事実(②)。この①②を前提事実に、今回の、「矢板がないところに軽量盛り土+工作物」は、より被害が大きくなるのではないかという推定(③)をしている。これについてちゃんと答えてください」
・2023年8月18日 大石あてに大阪市淀川区役所(政策企画課課長)から電話があった
*淀川区役所は、質問①②は事実だ、と回答してきました。なんで今まで何回言っても回答しなかったのですか?と聞いたら「答えてたつもりだった」らしい、どこがやねん(このやり取りで2か月もかかった)。
*淀川区役所が言うには、③の回答については、河川事務所(=国)が技術的に詳しい部分を有しており、事務方の淀川区役所(=大阪市)では完全にはお答えできないが、河川事務所の説明では、河川構造物の耐震性能照査指針・解説(H24.2)レベル1地震動の指針に基づいている(※1)とのこと。「矢板を入れなかったのは予算の都合と申し上げたかもしれないが、予算の都合は正確ではない。当時、地震時の安定計算をした結果、耐震性能を満足しているため、矢板工事を施工していない」と聞いた。
→大石から「耐震性能を満足しているという根拠資料を提供してほしい。河川事務所(国)の所管だから、と言うのではなく、事業主体である大阪市(淀川区役所)が責任をもって入手し、内容も把握して安全を担保すべき」と淀川区役所(課長)に求めた(課長は、2023年8月21日までに回答すると約束した。)
・2023年8月21日 大阪市淀川区区役所(政策企画課長)からメール:河川事務所(国)に確認したところ、「矢板工事をした当時、区民の方に施行理由等を説明した経緯があるので、その際の説明資料等を探してみたい」という回答。
・2023年8月29日 大石から大阪市淀川区区役所(政策企画課長)に電話(資料はまだか?)
・2023年8月29日 大石あてに、大阪市淀川区役所(政策企画課)から電話
*「河川事務所(国)に確認したら、H20年作成の古い資料なので整理が遅れている、今週金曜日(9/1)までには提供できるようにするとのことだった」
・2023年9月1日 大阪市淀川区区役所(政策企画課長)からメール:「河川事務所(国)から連絡があり、「資料が沢山見つかり、現在、その確認作業を行っているので、あと2週間待っていただきたい」とのこと」
・2023年9月15日 大石事務所スタッフから大阪市淀川区区役所(政策企画課長)に電話
*本日中にメールはもらえるのか →大丈夫
・2023年9月15日 大阪市淀川区区役所(政策企画課長)からメール:「本日中に資料の提出がなく、また、河川事務所と連絡が取れません。今後の見通しについては、週明けご報告させていただきます。」
・2023年9月21日 大石から大阪市淀川区区役所(政策企画課長)に電話
*週明けに何の報告もないがどうなっているのか? →明日に河川事務所に確認し、メールで資料を送ります。
・2023年9月22日 大阪市淀川区区役所(政策企画課長)からメール:「河川事務所の課長と話をしました。30年前の資料故、確認に時間がかかるということです。なお、いずれにしても、最終的には、情報開示請求の窓口からご請求いただくことを考えているとのことですので、窓口を下記のとおりご案内いたします。現在、物理的にお渡しできるデータがないということですので、ご理解いただければ幸いでございます。」
←いまココ。まだ資料が見つかった連絡は無し。1か月以上たっても安全性の資料は出さず、説明も無し、住民に説明もしていない。これのどこが「地域の合意」なのか?
あと、※1:河川事務所(国)の説明では、
「河川構造物の耐震性能照査指針・解説(H24.2)レベル1地震動の指針に基づいている」とのことだが、同指針を読んでみると、本件のような「堤防」についてはレベル1(発生確率が高い地震動)ではなく原則レベル2(最大級の強さを持つ地震動)と書いてある。
レベル1ではあかんのでは??
どう考えても説明が要る件なのに、ここまで引き延ばしてくるのは、安全面の説明ができないからではないのか。進めるのはアカンやろ公明党!
今後、調査と説明要求を続けます。