2023年11月17日【内閣委員会】で、新藤大臣に質問しました。
====
星野委員長 次に、大石あきこ君。
大石 イスラエル軍がガザの病院に突入しました。それをアメリカ政府は賛同しているんですよ。
それで、日本政府は、この国会の中でも、
「これは国際人道法違反ではないのか、その疑いはせめて言えないのか」というのに対しても、
「コメントは控える」と、そんな恥ずかしいことを言っているんですよ。
これが虐殺でなくて何なんですか。
これが力による一方的な現状変更でなくて一体何なんですか。
アメリカの二枚舌の正義が、あなた方の正義なんですか。
それならば二度と正義を語るな!
国際社会は共犯なんです。
岸田政権の……(発言する者あり)静かにしてもらっていいですか。
これ、どうなんですか。
星野委員長 ご静粛にお願いします。
大石 日本の経済政策について伺います。日本の経済再生のため、総理の責任で賃上げを行うべきだと、11月の2回の内閣委員会で申し上げてきました。岸田内閣の、介護のたった月6,000円の賃上げ、そして国家公務員のたった0.96%の賃上げ。
これは、物価高にすら追いつかない、「実質賃下げ」です。
岸田内閣は、このように言っているんです。
「賃金上昇が物価高に追いついていない」と、口では言っているんですよ。
でも、まあ、来年か再来年に追いつくだろうという甘い見通しをしているんですよ。そんなの許されない。
パネル2を見てください。
大石 これは直近4年間の物価高と賃金の推移です。
青の棒グラフが名目賃金、そしてオレンジの線が物価ですね、
物価上昇。2019年を100%としています。2019年の終盤に何があったか。消費税増税が自公政権によってなされました。
8%から10%に消費税が上げられた。そこからの名目賃金と物価高の推移を見ているんです。
いわばこの青い棒グラフが名目賃金、それが物価高を上回らなければ、国民はダメージを受け続けているんですね。
それで、消費税が上がってそこからどうなったか。
消費税が上がっているのに物価は下がるという、デフレですね。
名目賃金もだだ下がりしているんですよ。
そのような状況が続いて、そしてコロナまで乗っかってきて、
国民は大きな危機に見舞われてきて、そしてウクライナでのロシア侵攻が始まって、
コストプッシュインフレで物価が上がっているけれども、
ご覧のように、青い名目賃金、ずっとその下を行っているんですね。だから実質賃金がマイナスと言っているんです。
この青いグラフが物価を追い越している月なんか、ほとんどこの4年間でもないですよね。
追い越しているところをちょっと濃いめの青にしています。
そして、これが2022年の3月なんですけれども、そこ以降から直近の2023年9月までが18か月。
ニュースでもあるように、18か月連続の実質賃金マイナスだというのはこういう状況なんですよ。
でも、その前からも見てください。この4年間で賃金が上回っているところなんか、ほとんどないじゃないですか。
ずっと国民生活は危機なので、これを埋めなきゃいけないということをずっと申し上げているんです。
それで消費税廃止や減税が必要だと言っているんです。
しかし、新藤大臣がこんなことを言っているんです、今日も言っていますね。
「賃上げのためには生産性を上げなければダメだ」と。何を言っているんですか。
結局は、30年間同じことを、同じ間違いかデマを言い続けているんですよ。
“生産性を上げなければ賃金が上がらぬ”。
パネル3を見てください。
大石 これは労働生産性と賃金の推移で、厚労省の資料なんですね。
この黒い点線が生産性。これは日本とイギリスは同じように推移した。
なのに、ピンク色の実線、これが実質賃金。
日本ははいつくばっている、イギリスは跳ね上がっている。
生産性と実質賃金、控えめに言って関係ないんですよ。
経団連がただただコストカットで賃金を減らす圧力をかけましたし、
その飼い犬の政治家の皆さんも大いに貢献してきたんですよ。
だから、まずは自公が謝罪、ざんげして、総辞職です。
そして、責任のある政府が賃上げ目標を決めて、大胆な賃上げ、まずは公的部門の大幅賃上げからやらなきゃいけないんです。
そのためには、「生産性ガー」とか、もううんざりなんですよ。そんな資本家目線の政治家はもう要らないんです。
厚労省が9月に出した労働経済白書には、国民が貧しくなった原因が書いてあるんです。
「この30年、非正規が増えて労働分配率が減った結果だ、生産性向上は賃上げにならなかった」
と厚労省の白書に書いてある。
逆に、白書に、こうも書いてあります。
「1%賃上げすると2.2兆円の経済効果があり、16万人の雇用が創出され、雇用者報酬も増える」。
そして、こうも書いてあります。「賃上げは消費を増加させ、更なる賃金の増加につながり得る」と。
分かっているんだったら、さっさとやれよ!ただそれだけなんですよ。
うなずいていらっしゃいますね。
そして、岸田内閣が賃上げも消費税減税もせずに財政規律にとらわれているんですけれども、
一方、上限も設けずに支出しようとしているのが、維新の尻拭いのための大阪万博です。補正予算までつけている。
2020年の計画、1,850億円からいろいろ理由をつけて上がり、2,350億円に増額、そのうち3分の1を国が負担することになります。
パネルの4です。
大石 万博の木のリング、今日も内閣委員会で複数の方がこれの質疑をされていますけれども、
350億円、「熱中症対策で増やさないのか」「熱中対策では増やしません」みたいな
自見大臣の言い訳みたいな答弁をやっているんですけれども、実際には350億円よりも高かったんですよ。
今回の補正予算案に増額部分が含まれると経産省が認めています。
だから、一体、じゃ、それやったら本当はおいくらなんですか。
経産省、補正予算946億円の中に含まれているけれども、「内訳はお答えできない」という答えでした。
「お答えできない」じゃなくて、公開しないといけないでしょう。
「工期、契約の関係でお答えできない」と言っているんですよ。
でも、350億円は2020年の数字ですので、普通に考えたら上がっているはずなんですよ。
じゃ、公開してくれないので、粗い試算を行いまして、
ほかと同様の割合で費用が増加したら、429億円に上がっているはずなんです。(注1)
でも、これは、質疑でもありましたけれども海の上での工事もありますので、
ほかより上がるんじゃないんですか。もっと高いんじゃないんですか。
それよりも低いんですか。公開して説明しなければならない。
夢洲への万博の本当の狙いはIRカジノですので、ますます大阪市民や国が負担するべきではないんですね。
このカジノについては、とんでもない実態は内閣委員会でも取り上げてきましたけれども、
11月に入って更に法条例違反、そして、元々カジノ事業者である大阪IR株式会社が
ペーパーカンパニー、実態なき会社。これでは工事ができないと批判が高まっております。
そもそも、大阪府市がカジノ事業者と不平等な契約を結んで、3年の解除権を与えていつでも撤退できるという。
それを受けて、既に大阪府市は788億円もの公金を投入して土壌対策工事を進めようと、
アセスメント、環境アセスの住民説明会をこの間行っているんですよね。
しかし、このアセスの住民説明会では、条例に基づいて大阪IR株式会社が来ないといけないんですけれども、
来ずに、委託のコンサルにやらせている。
大阪IR株式会社自体、社員が2名しかいなくて、
代表のエドワード・バウワーズというMGMの人と、高橋豊典というオリックスの人の2名だけなんです。
電話もない、登記された場所に行っても会社はないんですね。
このような、工事を含む多額の支出をする契約が、秘密契約なんですけれども、
それをこのペーパーカンパニーにやらすというのは危険極まりがないんですよ。
国交省は、連絡先とか情報提供が可能なのか。これは追って追及していきますが、
住民に対して連絡先さえ明かさないのはあり得ない。
このようなカジノは中止すべきだと改めて申し上げます。
最後に、新藤大臣に経済対策についてお伺いします。
先ほどの、労働生産性の向上、労働生産性と賃金は関係がないということが
厚労省の資料からも明らかなんですけれども、
新藤大臣、まだ生産性の向上が賃上げに必要だとおっしゃいますか。
新藤国務大臣 まず大事なことは、委員が御指摘されているように、
物価の上昇を上回る賃金上昇、これの構造的かつ持続的にそれが可能となるような形態をつくらなければいけない。
様々な要素があります。第一に私たちがやっていることは、
まず、生産性の前に、可処分所得を向上することだ。
そして、コスト型の、物価高に対しての対策を打ちながら、そして、可処分所得を上げることによって、
そしてそれが将来の所得の予見性を高めること、減税も含めて。
こういった政策を打ちながら、春闘でもって今みんなが必死に努力をしようとしています。
その中で、新しい経済をつくるために、人口減少、少子高齢化、こういう世の中で、
そして、様々な意見を持つ人がそれぞれの生活の充実を求めている、
このニーズにどう応えていくか、総合的な対策を打っていきたい。
ひとつの原因ではありません。
しかし、大本に、賃金の上昇、構造的な賃上げの実現、これが非常に重要だということを私たちは申し上げているわけです。
大石 生産性の向上が賃上げの条件になるような経済政策、それを唱えている内閣は要りません。終わります。
(注1)万博の「大屋根(リング)」の増額の試算
2023年11月の万博協会の会場建設費増の説明資料
https://www.city.osaka.lg.jp/banpakusuishin/cmsfiles/contents/0000564/564186/shiryou1_11.01.pdf
こちらの7ページで、大屋根(リング)を含む「大工区」は、当初予算:979億円、契約済:840億円、今後の執行予定:360億円、増加後:1200億円であることがわかります。
<増額後の大屋根(リング)の荒い試算>
・当初予算→増加後の割合と同じと仮定すると、 350×1200÷979=429億円になります。
※衆議院、内閣委員会 会議録より転載。大石あきこ事務所にて編集
コメントをお書きください
Hasegawa (火曜日, 21 11月 2023 16:21)
万博の件、知れば知るほど呆れかえります。
私は東京で、維新が大阪で何をやってきたのかほとんど知りませんが、大石さんのおかげで色々勉強になっています。
あれは日本の癌細胞です。
叩き潰しましょう。
応援しています。