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2022年3月18日【内閣委員会】優生保護被害国賠裁判について・大阪IRカジノについて

上野委員長 次に、大石あきこ君。

大石 れいわ新選組、大石あきこです。

 本日、1点目には、優生保護法の問題の解決についてご質問したいと思います。

 皆さんのお手元資料、このパネルも同じですけれども、1番をご覧ください。

 先月、2月22日に大阪高裁で、それから今月、3月11日、東京高裁の判決で、旧優生保護法下で行われた強制不妊手術に対して、同法の差別性と違憲性が厳しく批判され、被害者への除斥期間の適用は著しく不正義であるとして、国の損害賠償責任が認められました。また、議員立法であったこの法が、国賠法上、違法だとして国会議員の責任を認め、さらに東京高裁判決では、優生手術を積極実施した厚生大臣の責任を認めました。

 国が、優生手術という、人間に優劣をつけ不良な子孫の出生を防止するという、言葉にするのもはばかる、極めて差別的、非人間的思想を正当化してきました。人間を人間扱いせず、子供を産む産まないの自己決定権を暴力的に奪う蛮行を国と議会ぐるみで行っていたということを見据え、優生思想、差別のない社会をつくらなければなりません。

 このフリップ、パネルの部分です。

これは、昨日、3月17日の院内集会で配付された北三郎さんの手紙です。御本人にも御承諾いただいた上で、読み上げます。

 皆さん、こんにちは。優生保護法の被害者、北三郎です。このような場を設けていただきましてありがとうございます。3月11日、東京高裁での判決、裁判長が時の壁を破ってくれました。私たちに希望の光を下さり、思わず涙があふれました。64年間悲しみ、苦しみました。向き合ってくれた裁判長に感謝いたします。私たちを救っていただき、感無量です。国は、私たちに向き合いもしないで上告するのですか。どれだけ苦しめばいいのですか。教えてください。上告しないで、終わりにしてください。大阪高裁での上告を取り下げてください。私たちは高齢者ばかりです。裁判に訴えているうち、北海道で1人、宮城で1人、神戸で1人、そして福岡で1人、無念の思いで亡くなっております。1日も早く解決をして、終わりにしてください。あの世までで無念の思いを持っていきたくありません。これ以上苦しめないでください。国は上告しないで私たちに向き合ってくださることを祈ります。3月27日に、親の墓参り、姉さんと行きます。優生手術したのは親じゃなかった、児童養護施設じゃなかった。誤解が解けました。私にとって一生忘れない1日でした。これまで私を支えてくださった皆様の力強い応援のおかげです。ありがとうございます。

 このようなメッセージを読み上げられました。

 伺います。

 このように長年闘ってこられた被害者、当事者を裏切らないために、国は、東京高裁判決の上告をせず、大阪高裁判決での上告を取り下げてください。いかがですか。

佐藤副大臣 旧優生保護法に基づいて、あるいはこの法律の存在を背景として、多くの方が特定の疾病や障害を理由に生殖を不能にする手術等を受けることを強いられ、心身に多大な苦痛を受けてこられたことに対し、厚生労働省としても、真摯に反省し、心から深くおわびを申し上げます。

 政府としては、こうした方々に、一時金を支給するための法律に基づいて、一時金の円滑かつ確実な支給に取り組んでまいります。

 その上で、係属中の個別の訴訟については、それぞれ個別に検討の上、対応しているところであります。

 先日の大阪高裁判決につきましては、法務省と内容を精査した上で、最高裁の御判断を仰ぐ方針といたしました。また、3月11日の東京高裁判決につきましては、今後、関係省庁と判決の内容を精査し、適切に対応してまいります。

大石 前段で真摯におわびされた内容と、その後にやっていることが違うじゃないですか。北三郎さんがおっしゃっているように、どんどん亡くなっている方もいらっしゃいます。早く終わらせてくださいと言っています。なぜ、その中で、大阪高裁で上告し、今も東京高裁でも検討中なのでしょうか。

 質問はしません。

 被害者と家族の方々は、議員立法であった同法の問題解決として、衆参両院での謝罪決議、それから国に対しては、国の謝罪、人生被害を償うに足りる補償、優生思想や差別の解消に向けた立法を求めています。議院としては、謝罪決議を是非実現したい。そして、国には、責任を認め、早期解決を求めます。

 続いて、違う質問に移りたいと思います。

 カジノの問題について、改めて問いたいと思います。前回、3月4日の内閣委員会でカジノの問題を御質問しました。その続きです。

 前回の質問では、共食い効果という地域経済へのマイナスの効果を含めて試算すべきだと質問いたしました。そうしますと、このパネルのように、泉田政務官の方でこのようなお答えがありました。経済的な効果については自治体が算定する、国としてはしっかり審査してまいりたい、そのように答えられました。お手元資料は2の方です。

このしっかりと審査という内容について詳しく聞きたいんです、是非しっかり審査していただきたいから。

 まず、政府の審査の基準には、ちょっと難しい方針の名前、特定複合観光施設区域の整備のための基本的な方針、そういう基本方針の要求基準というものがあるんですけれども、その十九あるうち全てを満たす必要がありますが、その認識で間違いないでしょうか。

泉田大臣政務官 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、要求基準が定められておりますので、適合しない区域整備計画が認定されるということはございません。

大石 そうですよね。基本方針に、認定基準に適合しない場合は認定を行わないとあります。すなわち、政府が主体的に審査をして、要求基準に適合しているか、その確実性を審査する必要があります。

 この要求基準のうち、第18項目が非常に重要なので、取り上げます。

 お手元資料は3になります。

地域経済への効果という項目です。パネルのように、「IR区域の整備による経済的社会的効果及びその効果を見込む根拠が明らかにされていなければならない。」とあります。ここは非常に大事なところです。というのも、このカジノ、IR、日本で初めて民間の賭博場を認める問題だからです。

 経済効果が明確な根拠があるなら、今まで民間の賭博、ばくちは違法であったけれども認めようというポイントになります。逆に、この効果が明確でないならば、元々違法だった民間の賭博場、認可してはならない、法律上もそういうたてつけになっているということです。

 それにしても、このカジノなんですけれども、IRなんですけれども、もう終わったコンテンツなんじゃないでしょうか。この要求基準第18項目を満たすカジノ、経済的社会的効果及びその効果を見込む根拠が明らかにと。明らかにその効果があるようなもの、日本中探しても、もう無理なんじゃないでしょうか。今こそ国が、審査の責任主体として、自治体に、やめとけ、この審査は通らぬわと言っていかなければいけないんじゃないんでしょうか。

 コロナは、もう第6波になりました。第四波のときは、もう第5波は起きぬやろうと。第5波のときは、第6波は起きぬやろうと。第6波になったら、第6波は大したことないんじゃないかと。でも、そうじゃなかった。ここまで来たら、第7波がないなんて誰も言えないでしょう。

 そういう中で、既に娯楽も様変わりしています。よしあしはさておき、カジノも、オンラインカジノが進んでいるといいます。設備投資先も変わってきたということです。

 この状況を踏まえて、カジノ推進の見直しを考えたことはありますか。

泉田大臣政務官 お答えをいたします。

 IRにつきましては、2020年代の後半の開業を目指していると前回も申し上げました。コロナ後の経済状況、こういったものも見据えまして、中長期的な観点から必要な準備を進めていくべき施策というふうに考えております。

 中長期的というのは、ダウンサイド、つまり、下振れした場合どうするかということも含めて、中長期的な観点で見ていく必要があるということだと思います。

 IR誘致を検討している自治体及び事業者は、現行制度を前提として、IR整備に伴う様々なメリット、そしてリスクの方も評価を行った上で、IR整備法に基づいて、区域整備計画の策定に向けて詰めの作業を行っているということを承知をいたしております。

 したがいまして、まずは申請を見てから対応を決めていく。現時点で制度全般を見直すということではないんだろうというふうに思っています。

大石 下振れの方も検討が必要なんだというふうにおっしゃいました。

 ところが、少なくとも大阪のカジノにおいては、下振れのシミュレーション、このぐらい需要が下がって、そうするとこのぐらい売上げが下がるだろうとか、そういう下振れの予測の幅みたいなものも当然シミュレーションするべきだと思うんですけれども、問い合わせると、大阪はやっていないというんですけれども、そのことは御存じでしょうか。

泉田大臣政務官 現在、申請前の状況でございますので、国としては申請を待ちたいというふうに考えております。

大石 申請後も必要なんですけれども、現在、もうやばいでという状況も十分に知っていただきたいと思うんですね。

 特に、大阪において、あり得ない数字が既に躍っています。大阪のIR整備計画案では、カジノ事業収益は約4200億円、カジノ来訪者、年間1610万人が見込まれています。この年間のカジノでの来訪者、IR全体ではなくカジノ単独での来訪者1610万人、これはどのぐらいすごい数字かというと、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンが年間1200万人ぐらいなので、それをはるかに上回っている。これは本気かと。

 大阪府と市が盛りに盛った数字で、撤退リスクもある中で、カジノ開発に公金をどんどん使っている。これはまずいだろうということで、テレビ報道もやっと増えてきました。

 これは2日前の3月16日なのですが、大阪市の議会で、大阪IR株式会社の高橋社長が参考人招致されまして、このパネル、資料で4です。

パネルに示されるように、その場でIR事業者の高橋社長は、撤退の見極めをするときが来るかもしれないと明言されました。ほかにも腰が引けたような発言をその場でされています。

 現在、夢洲の予定地は、地盤沈下の問題も更に浮上していて、まだ費用がどれぐらいか分からないんです。聞くところによると、田んぼ並みの緩い土地である、そこにでかい建物を載せられるのかという問題になっているんです。それに対してこの高橋社長は、今でも沈下している状況である、今それに対して追加のボーリング調査をしている、そのデータをもって、専門家の知見をもって、それに耐え得る建物を設計してやっていけるかはこれからだと。

 建物を上に建てられるかどうかもこれからだという状況なんですけれども、これらのIR事業者のせりふ、さすがに腰が引けておるな、撤退が見えておるなと思われましたか。

泉田大臣政務官 お答えをいたします。

 発言につきましては文脈というのも重要でございまして、御指摘の大阪におけるIR関係者の発言について、詳細を承知をいたしておりません。

 いずれにいたしましても、国は、各自治体から申請をされた区域整備計画に基づきまして認定の可否を判断する立場ということでございますので、申請を予定をしている個別自治体が選定をした事業者をめぐる状況についてコメントをすることは、今後の計画の公正かつ中立的な審査に影響を与えるおそれがございますので、コメントは差し控えさせていただきたいというふうに思います。

大石 もう時間もなくなってきましたので、引き続き、こういった現状をあらかじめ知っていただきたいと思うんですよね。

 というのも、政府が無責任に認可すると、巨額の公費、788億円が土地改良工事に使われてしまいます。でも、いつでもIR事業者は撤退できる。この資料5。

パネルになりますけれども、コロナウイルスが終息し、観光需要が前に戻ることが合理的に見込まれるまで、違約金等を一切払わずに解除できると。また、この土地の問題も、土壌汚染などの問題が解決できない場合は撤退できると、非常に撤退しやすい状況になっていて、これは認可したら公金だけ工事でどんどん使われていくという状況になります。

 政府の認定期限は定めがないといいます。だったら、すぐに認可するのは絶対やめていただきたいんです。今、大阪府民の有志の方々が、見るに見かねて……

上野委員長 大石君、既に持ち時間が経過しておりますので、御協力をお願いします。

大石 はい、まとめます。

 3月25日からカジノの住民投票の署名をします。自分たちでカジノをやるかどうかを決めるという署名なんです。少なくとも、この間、認可をしてしまったら、これは住民合意という必要要件も満たさない、住民への裏切りとなります。是非、この認可はやめていただきたいです。引き続き、このような問題を訴えていきたいと思います。

 今日は、質問を終わります。ありがとうございました。

 

 

※衆議院、内閣委員会 会議録より転載

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