消費増税の凍結は可能だ(別冊クライテリオン紹介ほか)


もはや「右」対「左」ではない、
「下」対「上」の時代だ

 

これは、ブレイディみかこさんの著書「ヨーロッパ・コーリング(Europe Calling)」の帯のうたい文句。
この本では、欧州に吹いている新しい風、「反緊縮」の風について活き活きと描かれている。

 

いいなー、新しい風 起こしたいなー、なんて思っていたら、
とうとう、日本にも、「欧州の呼び声」に呼応するかのような動きがあらわれた。

 

すなわち、
この30年間で、日本に住む人々から生活基盤、経済基盤を奪うまでにいたった、
「緊縮財政」「消費税増税」「身を切る改革・規制緩和」「民営化」を代表とする新自由主義、
それを葬り去ろうという動きが出てきたのだ。

 

それこそブレイディさんが言い当てているように、「右」も「左」も超えて。

 

そのような新自由主義の墓堀人の動きは、さまざま見え始めているのですが、
今日ご紹介したいのは、

2018年12月号「別冊クライテリオン 消費増税を凍結せよ」。

 

みなさん、読まれましたか?

編集長は、京都大学大学院教授(であり内閣官房参与ですらある)藤井聡教授。

寄稿・対談は、左から右までさまざま。


多分お互いに「さすがにあいつと一緒にされたくない」などとツッコミあっているのではないかと
妄想が掻き立てられる衝撃の書です。

 

読んで、大変勉強になったというのが感想ですが、一番印象に残った点をいうと、左右関係なく、

 

「消費税で吸い上げた税金が、法人税の減税の財源に使われている」
「つまり、人々に厳しく、大企業に甘い経済政策が数十年おこなわれている」
「しかも、その経済政策は、景気対策の意味でも、誤りであった」
「消費税10%は、その誤りの上塗りであり、最悪である」

 

といった共通認識が打ち出されていたこと、でしょうか。


「上(資本家)」と「下(人々)」の利害対立が明確になっている、ということですね。

象徴的なグラフとしてはこれです。(別冊クライテリオン113ページ 日本金融財政研究所所長・菊池氏から引用)

多分、共産党や他の政党でも、このグラフはすでに出してきた、

という言いぶんはあろうかと思うのですが、「資本家側なのかな」的な学者が持ち出してきたことがすごくないですか?

どういうわけか、信ぴょう性が一気に高まる。笑

(世間一般の、ですよ)

 

消費税は全て社会保障に使うって言っていたのに、法人税減税の穴埋めに使ってるんじゃん!

ずっとウソだったのかよ!

 

このグラフが流行るぐらいしたら、日本の世論もフランスの凱旋門での暴動みたいに荒れて、消費増税止まるんじゃないかな。
流行れ、このグラフー!

 

そしてもう一つ感じたのは、勝ちへの執着心です。

 

情勢としては、消費増税に圧倒的に向かわれているし、水道民営化や外国人労働者を奴隷使いする法律など新自由主義による「改革」の強行は続いている。
だけど、それは時代に逆行するものだと断罪し、自分たちの真実の力で勝っていこうという、主流派精神がそこには流れている。

 

山本太郎さんが「総理」を目指してもいい、と最近言っていますよね。
そうすると、がぜん本気なんだな、と思えてくる。

ちゃちゃっと周縁から反対して、牛歩とか叩かれることはやらない、みたいなスタイルじゃ見透かされる。

フィリバスターを8時間もやったサンダースもアメリカで大統領になりかけたんだから、山本太郎さんが総理、ありじゃないですか。

 

社会を変えるのに必要なのはこの精神だと私は思います。

 

負け根性になって嵐をよけていたら、はなから勝てるわけがない。
教科書に書いてある教条を読んで自己陶酔していても意味はない、それも負け根性の一派です。

 

私は自覚的には全く「保守」ではありませんが、今、とても危機が迫っている状況のなかで、

「下」に置かれている人々の状況を本当に変えたいと願う人が、保・革など関係なく力をあわせようとしていることは、本当に状況が変わる節目だと私には見えます。

 

その中で、左右が自分の目指す形での「新しい風」の呼び込みを切磋琢磨すればいいのではないでしょうか。

 

よって12月8日の
表現者クライテリオン・シンポジウム「大阪で考える保守思想——日本の再生は大阪から始まる」
に、保守もリベラルも行ってみたらどうでしょう。

 

私は闘う労働組合の反弾圧集会に行ってから、少し遅れて、参加します。

そんな「極左」が参加してもいいじゃないか。

 

以下のサイトで開催趣旨と、簡単に申込できる入力フォームがあります。申込をしたほうがいいようです。

https://the-criterion.jp/osaka_symposium_2018/

 

このシンポジウムが大阪市内でおこなわれるのは非常に象徴的ですね。

 

新自由主義の申し子である「維新」が10年間統治した地・大阪だからこそ、日本に新しい風を呼び込むスタートの地にふさわしい。

 

古い時代が崩れていく音が私には聞こえます。

 

大阪の与党議員が、経済的強者におもねっていれば、流暢な「都構想」のスポークスマンをしていれば、地元に帰ってリップサービス「だけ」をしておれば身分は安泰。
そんな時代の終焉の音。

 

それが半年後なのか4年後なのかはわからない。でも崩壊することは確かです。

私はその崩壊の時期を半年に縮められるべく、全力をつくそうと思います。

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